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商標の早期審査とは?メリット・デメリットから費用・期間までわかりやすく解説!

悩んでいる方

商標を早く取るにはどうしたらいいの?

 

商標登録出願は、通常は出願から審査結果までに1年以上かかってしまいます。

より早期に商標登録をしたい場合は、「早期審査制度」や「ファストトラック審査制度」の活用がおすすめであり、プロの方も早期審査をすすめています。

 

しかし、安易に早期審査をしようとすると失敗して損をするリスクもあるので注意が必要です。

そこで本内容では、商標登録を考えている個人事業主の方で、商標の知識がくわしくない方でもわかるように早期審査で過ちを犯しやすい点もふまえてプロが早期審査を解説していきます!

 

本内容を読めば、早期審査で失敗するリスクを回避できるでしょう。

記事の信頼性

  • 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
  • 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
  • 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
  • ブログ歴3年以上でブログを書くことが趣味です。
  • 月間PV数最高11万超のブログを運営したこともあります。
  • 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。

 

目次

商標の早期審査とは

商標の早期審査とは、一定の条件を満たすことにより、特許庁に審査を早くに進めてもらうことができる制度をいいます。

商標の早期審査の期間

通常は商標出願から最終結果の通知までの期間に1年以上かかります。

一方で、早期審査制度を利用すれば期間はなんと約1.9か月まで短縮できます

参考:特許庁サイト「商標早期審査・早期審理の概要

 

しかも単に早期審査を利用するメリットはそれだけではありません。

 

商標の早期審査のメリット

メリットは以下のとおり。

 

ポイント

  • 早期審査にともなう特許庁費用は無料。
  • ネーミングを使ってよいかどうかが早くわかる
  • 自分の商標を勝手に使っている相手に早く警告ができる
  • Amazonセラーの場合、ブランド登録が早期にできる

 

一つずつ詳しく解説していきます。

特許庁費用は無料

審査を早くしてもらうのだから特許庁にお金をよけいはらわないといけないのでは・・・と思われるかもしれません。

しかし、特許庁はなんと費用は無料でやってくれるのです!

これは使わない手はないでしょう。

ネーミングを使ってよいかどうかが早くわかる

商標の審査の結果、実は自分のネーミングが使えないとわかる場合があります。

そのような場合は自分のネーミングの変更が必要になり、それまでに準備していた名刺、看板、広告などをすべて変更しなければいけません。

 

早めに審査の結果がわかることで、自分のネーミングを使ってよいかどうかが早期にわかります。

この結果、ビジネスを早期に進め、ネーミング変更のためのコストも抑えることができます。

 

自分の商標を勝手に使っている相手に早く警告ができる

他人に「やめろ」というためには、商標出願するだけでは不十分で、商標権が登録されている必要があります。

 

早期審査により早期に商標登録することができれば、勝手に自分の商標を使っている相手に早く対応することができます。

これにより、模倣品やパクリの被害を早期に抑えることができます。

 

Amazonセラーの場合、ブランド登録が早期にできる

Amazonセラーが、自分のブランド登録をする場合、商標登録が完了していることが条件となります。

 

Amazonセラーとしてビジネスを早くスタートさせるためには、早期審査で早期に商標登録を済ませることがおすすめです。

Amazonのブランド登録についてはこちらの記事もご参考に。

Amazonブランド登録のやり方-気をつけたい注意点も解説

続きを見る

 

以上のように早期審査はメリットだらけでやらないと損ともいえます。

 

しかし、ここからが注意ポイントです。

早期審査にもデメリットはあります。

そこで以下にデメリットを解説していきます。

 

商標の早期審査のデメリット

一方で、早期審査には下記のようなデメリットもあります。

ポイント

  • 弁理士に依頼する場合は、弁理士費用がかかる
  • 自分で行う場合は、早期事情説明書を準備する手間がかかる
  • 早期審査の条件により、権利範囲が狭くなる場合がある

一つずつ詳しく解説していきます。

 

弁理士に依頼する場合は、弁理士費用がかかる

特許庁への手数料は無料ですが、弁理士に依頼する場合は弁理士費用がかかります。

弁理士費用の相場は約3万円であり、特許庁費用が無料でも弁理士に依頼すると余計費用がかかることに注意してください。

 

では費用を安くするために早期審査を自分でやることはできないのかと思われるかもしれません。

では早期審査にかかる手間はどのくらいなのか。

 

自分でやる場合は、早期事情説明書を準備する手間がかかる

早期審査の申請は自分で行うこともできますが、申請に必要な書面の準備には面倒なことが多いです。

早期審査マニュアルを読んで自分でできなくはないです。

しかし、これを読むだけでも1~2日かかります。

 

さらに申請が却下されることもあります。

却下されるとさらに2月ほど時間がかかる場合があります。

 

そうすると結局時間と労力を無駄にすることになります。

そうなると自分でやるよりプロにお金を払ってやってもらった方が賢いといえます。

特許事務所BrandAgentの料金はこちらのよくある質問を参考にしてください。

 

早期審査の条件により、権利範囲が狭くなる場合がある

後述の通り、早期審査は、後述しますが一定の条件のもと認められます。

 

指定商品・役務を限定することが必要になったり、適切な商品・役務の名称を指定できなかったりするため、結果として権利範囲が狭くなってしまう場合があるので注意してください。

この点についてはあらかじめ早期審査を受けるべきかどうか弁理士にしっかりと相談することをおすすめします。

以上が早期審査にともなうデメリットでして、この点を見過ごしてしまうと失敗しますので注意してください。

商標の早期審査のひな形・マニュアル

一方で早期審査のマニュアルは特許庁からダウンロードできます(商標の早期審査・早期審理ガイドライン)が、初心者であれば理解することが難しいかもしれません。

そこで、以下に早期審査の申請がとおる条件を初心者でもわかりやすいようにまとめました。

商標の早期審査の条件

 ・早期審査が使える条件とは?

早期審査を使うためには、以下の3つの条件のいずれかを満たすことが必要です。

早期審査の申請には、この条件にあてはまることを示す証拠も提出しなければなりません。

ポイント

一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+緊急性がある場合

すべての指定商品(役務)について商標をすでに使用している場合

一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品(役務)のみを指定している場合

 以下、それぞれの条件を解説します。

 

条件①「一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+緊急性がある場合」

例えば、あなたが、
商標「souki」を、指定商品「被服」「財布」「時計」

で商標出願しているとします。

オンラインショップで、「souki」ブランドの「被服」のみ販売している場合、

以下のいずれかの緊急性があれば、条件①を満たします。

1. 第3者が使用している

2. 第3者から警告を受けている

3. 第3者からライセンス請求を受けている

4. 外国で出願が継続していること(登録後はNG)

 

条件②「すべての指定商品(役務)について商標をすでに使用している場合」

例えば、あなたが、
商標「souki」を、指定商品「被服」「財布」「時計」

で商標出願しているとします。

オンラインショップで、「souki」ロゴを付した「被服」「財布」「時計」のすべてを販売している場合、条件②を満たします。

 

・条件③「一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+『類似商品・役務審査基準』等に掲載の商品(役務)のみを指定している場合」

例えば、あなたが、
商標「souki」を、指定商品「被服」「財布」「時計」

で商標出願しているとします。

オンラインショップで、「souki」ブランドの「被服」のみ販売している場合、

指定商品「被服」「財布」「時計」のすべてが「類似商品・役務審査基準」等に掲載されているものであれば、条件③を満たします。

ではこのうちどれがおすすめなのか。ここからは早期審査がとおりやすくするためのコツをプロが解説していきます。

 

早期審査の申請をとおりやすくするためには?

引用:特許庁サイト

 

上記の条件①~③の中で、最も当てはまりやすいのは条件③です。

商標出願にあたって、「類似商品・役務審査基準」に掲載された商品(役務)のみを特定しておけばOKです。

 

ここで「類似商品・役務審査基準」に掲載された商品(役務)とは、「類似商品・役務審査基準」「商品・サービス国際分類表(ニース分類)に掲載された商品(役務)をいいます。

あなたの商品(役務)が上記にあてはまるかどうかは、こちらのサイトから調べればOKです。

 

「使用の準備」しかしていない場合は?

実際に「使用」していなくても、「使用の準備」をしていれば上記それぞれの条件を満たすことになります。

では、「使用の準備」とは、どの程度の準備をしていればよいのでしょうか。

 

商標早期審査・早期審理ガイドラインによると、「対外的に出願商標の使用に向けて動き始めていて後戻りする可能性が低く、使用することが確実視される場合等、「使用」とほぼ同等と認められる場合」のことを指すと説明されています。

 

具体的には、以下のような場合が挙げられます。

・出願商標を使った商品・サービスのカタログ等の印刷を既に発注した

・出願商標を商品・サービスに使用する予定であることが報道された

 一番手っ取り早い使用の証明は、HPに運営者情報として申請人情報(氏名(法人の場合は法人名称)と住所)と、商標と商標に使用する商品・サービスを特定することです。

もしHPで特定できれば、上記の条件②はおのずと満たされることになります。

 

以上、早期審査について初心者でもわかりやすいようにまとめました。

では実際に早期審査をどのように申請すべきか。以下に解説していきます。

 

商標の早期審査の申請方法

商標の早期審査の申請方法は、以下のとおり。

①商標出願をすませておく

②早期審査に関する事情説明書を提出する。

※①と②は同時でも可能。

事情説明書のひな形・テンプレートはこちらを参考に。

 

商標の早期審査に関する事情説明書の書き方

商標の早期審査の申請には、前述のとおり、以下の①~③のいずれかの条件が必要です。

ポイント

一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+緊急性がある場合

すべての指定商品(役務)について商標をすでに使用している場合

一部の指定商品(役務)について商標をすでに使用している+「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品(役務)のみを指定している場合

ここでは、条件②・③の場合を例に、記入事項を説明します。

ポイント

①商標の使用者

②商標の使用に係る商品名(役務名)

③商標の使用時期

 

商標の使用者

自分で使用している場合、「出願人」と記載します。

 

商標の使用に係る商品名(役務名)

商品(役務)名を記載します。 (例)「被服」

 

商標の使用時期

ネーミングの使用開始時期を記載します。 (例)「令和〇年〇月から使用中」

 

商標の使用場所

オンラインビジネスの場合、「インターネット上」、および、会社や個人の住所を記載します。

(例)「インターネット上」、「〇〇県○○市~」

 

商標の使用の事実を示す書類

以下に解説する使用の証拠資料について説明します。

(例)「商標の使用を示す資料として、商品カタログを添付する」

 

・添付する証拠資料

商標の使用の事実を示す証拠として、以下の2点が必要です。

ポイント

①商標を指定商品(役務)について使用している(使用の準備をしている)ことの証拠

②商標を出願人(またはライセンシー)が使用している(使用の準備をしている)ことの証拠

 

①だけはなく②も必要であることに注意しましょう。

なお、自分でやる場合、証拠として1番おすすめなのが上述のとおり、ホームページのスクリーンショットです。

例えば、自分のホームページに商標を付した商品を掲載している場合、以下の2点を証拠として提出すればOKです。

①商標を付した商品が記載されているページのスクリーンショット

(例:ホームページの商品カタログ、商品の出品ページのスクリーンショット)

②販売者が出願人であることがわかるページのスクリーンショット

(例:特定商取引法に基づく表記のスクリーンショット)

 

*商標の使用者は、出願人ではなくライセンシーでもOKです。その場合は、商標の使用のライセンスを受けていることの証拠も提出する必要があります。

*条件③の場合、証拠は指定商品(役務)の一部を使用していることの証拠だけ添付すればOKです。指定商品(役務)が「類似商品・役務審査基準」で指定された商品(役務)であることについて触れる必要はありません。

*条件①の場合は、「緊急性を要すること」についての証拠も追加で必要になりますので注意してください。

商標の早期審査に関する事情説明書の提出方法

商標の早期審査に関する事情説明書は以下のいずれかの方法により提出できます。

①オンラインで提出

②特許庁受付窓口に書面を直接持参して提出

③特許庁長官あてに書面を送付して提出

 

これを読んで難しそうとか弁理士に依頼するのもなあ・・・と思ったら早期審査はあきらめてファストトラック制度を利用するのもありです。

以下ではファストトラック制度について解説していきます。

 

商標の早期審査とファストトラック審査

「まだ商標を使う準備ができていないけど、早めに商標登録しておきたい」

「早期審査の申請書面の準備の手間をかけたくない」

という方におすすめなのが、「ファストトラック審査」です。

 

ファストトラック審査には、申請手続きや費用は一切不要です。

必要な条件は、出願時に「類似商品・役務審査基準」等に掲載の商品・役務のみを指定していることだけです。

 

これだけで審査期間が4~6か月まで短縮されます。

 

商標の早期審査のまとめ

以上、商標の早期審査について簡単にまとめます。

 

・早期審査制度は、無料で審査期間を1年から1~2か月に短縮できる

・審査結果が早くわかることで、ビジネスを早期に円滑に進めることができる

・条件として「商標を使用している」等を満たすことが必要

・「早期審査に関する事情説明書」や使用の証拠の提出が必要

 

早期審査制度の条件の確認や、申請書面の準備は初心者の方には難しいところもありますので、不安であれば弁理士に依頼することをおすすめします。

特許事務所BrandAgentの料金はこちらのよくある質問を参考にしてください。

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    • この記事を書いた人

    叶野徹

    京都の特許事務所BrandAgentを運営している弁理士です。関西の特許事務所→大手法律事務所→大手企業知財部→BrandAgentを設立。特許1,000件以上、商標2,000件以上をこれまでにサポートしています。趣味は温泉・サウナです。

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