
商標を早く取るにはどうしたらいいの?
商標出願は、通常審査結果が出るまで一定の時間がかかります。
「できるだけ早く登録したい」という場合は、早期審査やファストトラックの活用が選択肢になります。
ただし、安易に早期審査を狙うと、条件を満たせず却下されたり、権利範囲の設計を誤って損をすることもあるため注意が必要です。
この記事では、初めての方にも分かるように「早期審査の基本・条件・必要書類・期間・費用・注意点」をまとめます。
- 早期審査:条件を満たせば審査が早く進む(申請手続が必要)。
- ファストトラック:条件に当てはまれば申請なしで審査が早く進む(指定商品・役務の書き方がカギ)。
- 特許庁への追加費用は原則不要だが、準備(事情説明書・証拠)に手間がかかる。
- 一番の失敗:「急ぎたい」だけで条件に合わない申請をして時間をロスすること。
判断に迷う場合は、区分設計と条件確認の段階で相談するのが安全です:無料相談・見積りはこちら

- 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
- 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
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- 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。
商標の早期審査とは

商標の早期審査とは、一定の条件を満たす場合に、特許庁に審査を早く進めてもらう制度です。
公式情報:商標早期審査・早期審理の概要(特許庁)
早期審査の期間(目安)
通常は、出願から結果が出るまで一定期間かかります。
一方で、早期審査が認められた場合は、公式には約1〜2か月程度の目安が示されています(案件や状況により変動)。
- 通常:数か月〜(状況により変動)
- ファストトラック:短縮(目安 4〜6か月程度とされることが多い)
- 早期審査:さらに短縮(目安 1〜2か月程度とされることが多い)
商標の早期審査のメリット

メリット(要点)
- 特許庁への追加費用は原則不要
- 使ってよいネーミングか早く判断できる
- 模倣・無断使用に早く対応しやすい
- Amazon等のブランド登録・運用を早く進められる場合がある
特許庁費用は原則不要
「審査を早くしてもらう=追加費用が必要」と思われがちですが、早期審査の申立て自体に、原則として特許庁への追加費用は不要です。
ただし、事情説明書や証拠の準備の手間がかかります。
ネーミングを使ってよいか早くわかる
審査で登録不可となると、名刺・看板・広告・パッケージ等の変更が必要になることがあります。
結果が早く分かれば、方針転換のコストを抑えやすくなります。
模倣や無断使用へ早く対応できる
相手に「やめてください」と言う場面では、登録の有無が重要になることが多いです。
早期に登録できれば、警告や交渉を早めに進められる可能性があります。
Amazonセラーの場合:ブランド運用を早められる
Amazonブランド登録等、商標登録の進行状況が影響するケースがあります。
関連:Amazonブランド登録の記事はこちら。
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商標の早期審査のデメリット(失敗しやすい点)

デメリット(要点)
- 準備が必要(事情説明書・証拠)
- 自分でやると手間が大きい(条件整理・証拠作成・記載の整合性)
- 条件を満たさない申請は却下される(時間ロス)
- 条件に合わせるため、指定商品・役務の設計が難しくなる場合がある
弁理士に依頼する場合は手数料がかかる
特許庁への追加費用が不要でも、弁理士に依頼する場合は手数料が発生します。
(費用感は事務所により異なります。個別見積り推奨)
自分でやる場合:事情説明書の準備が大変
早期審査では、早期事情説明書や使用・準備の証拠の整備が必要です。
特許庁のガイド:商標の早期審査・早期審理ガイドライン
不備があると却下になり、かえって時間をロスすることがあります。
「急ぎたい」場合ほど、条件確認→証拠→記載整合を先に固めるのが重要です。
条件によって権利範囲(指定商品・役務)の設計が難しくなることがある
早期審査の条件に合わせる過程で、指定商品・役務を必要以上に限定してしまうと、登録後に守りたい範囲をカバーできないことがあります。
この点は、早期審査を使うかどうかの判断で一番失敗しやすいポイントです。
早期審査が使える条件(ざっくり)

早期審査は、一定の条件に該当することを説明し、証拠資料も添付して申請します。
(詳細は上記ガイドライン参照)
典型的な条件(要点)
- 商標を使用している(または使用の準備が整っている)
- 一定の緊急性がある(模倣・警告・海外展開等、ケースにより)
- 指定商品・役務が審査基準等に沿って整理されている(ファストトラックと親和性が高い)
「使用の準備」でも認められる場合
実際の販売前でも、外部に向けて使用開始が具体化している場合(例:ECページ公開、カタログ発注、告知等)は、条件に当たる可能性があります。
証拠としては、ホームページのスクリーンショット等が使われることがあります。
早期審査の申請方法(概要)

- 商標出願を行う(出願と同時でも、出願後でも可)
- 早期事情説明書を提出し、条件該当と証拠を示す
テンプレ例(特許庁):事情説明書のひな形
ファストトラック審査とは(早期審査との使い分け)

「まだ使用開始していないが、早めに審査してほしい」「書面準備の手間は避けたい」場合は、ファストトラックが現実的なことがあります。
- 申請手続き不要(条件に合えば自動的に対象になり得る)
- 追加費用不要
- 指定商品・役務を審査基準等に沿って記載することがカギ
よくある質問(FAQ)
- Q. 早期審査は誰でも使えますか?
A. 一定の条件と証拠が必要です。「急ぎたい」だけでは通りません。 - Q. 早期審査は特許庁費用がかかりますか?
A. 申立て自体は原則追加費用不要とされています(ただし準備に手間がかかります)。 - Q. どっちが良い?早期審査とファストトラック
A. 使用(準備)や緊急性があるなら早期審査が有利なことがあります。条件整理が難しい場合はファストトラックの適合を狙う方が安全なこともあります。 - Q. 相談すると何が楽になりますか?
A. 条件該当の判断、指定商品・役務の整理、証拠の作り方の整理がスムーズになります。
まとめ
- 早期審査は条件を満たせば審査が早く進む(準備が必要)
- ファストトラックは条件に合えば申請なしで短縮を狙える
- 失敗しやすいのは「条件に合わない申請」「権利範囲の設計ミス」
不安がある場合は、申請前に相談して最適なルートを選ぶのが安全です。
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