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商標更新の基礎知識と手続きの流れを弁理士が解説

悩んでいる方
商標の更新って?どうやればいいの?

こうした疑問に答えます。

弁理士叶野徹

商標を所有する企業や個人は、有効期限が切れた場合には期限内に更新手続きを行わなければなりません。

しかし、商標更新の手続きには複雑な法律手続きがあり、手続きを誤ると商標権を失う可能性もあります。

本記事では、商標更新についての基礎知識と手続きの流れについて詳しく解説します。

記事の信頼性

  • 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
  • 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
  • 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
  • ブログ歴3年以上でブログを書くことが趣味です。
  • 月間PV数最高11万超のブログを運営したこともあります。
  • 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。

本記事の構成

1.商標更新とは何か?

2.商標更新の必要性と期限について

3.商標更新の手続きの流れ

4.商標更新にかかる費用について

5.商標更新で注意すべきポイント

6.商標更新のメリットとデメリットについて

商標更新とは何か?

弁理士叶野徹
商標更新とは、商標権者が存続期限が切れた商標について所定の料金を支払うことで、商標権を維持するための手続きのことを指します。

商標権は存続期間があり、登録日から10年が過ぎると商標権が消滅します。

しかしながら、商標権者は期限内に商標を更新することで、商標権を保有し続けることができます。

 

商標更新は、商標権者が商標を継続的に使用していることを確認する手続きでもあります。

しかし、商標権者は商標更新の手続きを誤ったり、手続きをしないと、商標権を失う可能性があるため、正確かつタイムリーに手続きを行うことが重要です。

 

商標更新の必要性と期限について

 

弁理士叶野徹
商標更新は、商標権者が商標を有効期限が切れた後も維持するために必要です。

商標は有効期限があり、期限が切れると商標権が消滅するため、商標権者は期限内に商標を更新する必要があります。

 

商標更新により、商標権者は商標を継続して使用し、競合他社からの商標権侵害を防ぐことができます。

 

商標更新の期限は?

弁理士叶野徹
商標更新の期限は、商標登録日から10年間です。

更新期限は、商標登録日の10年目の最終日までに商標更新手続きを行う必要があります。

更新の申請ができるのは、商標権の存続期間満了日の6月前から存続期間満了日までです。

例えば、商標登録日が2020年4月1日の場合、商標更新の期限は2030年3月31日となります。

そして、商標権の更新ができるのは2029年10月1日から3月31日までとなります。

 

商標権者は期限内に商標更新手続きを行わなければならないため、期限を過ぎると商標権が消滅してしまうことに注意が必要です。

 

ただし、存続期間が満了しても、存続期間満了日から6月以内であれば倍額の更新料で更新をすることできます。

 

商標更新の手続きの流れ

弁理士叶野徹
商標更新の手続きは以下の流れで行われます。

1.商標更新の期限を確認する

2.商標更新の申請書を提出する

3.商標更新が完了したことが特許庁よりはがきで届く

 

まず、商標登録日から10年間が経過する前に、商標権者は商標を更新する必要があります。

商標の登録証には、登録日が記載されていますので、登録日から更新ができる期限を確認しましょう。

登録証以外にも特許庁の商標データベース「IPDL」には商標の経緯情報が記載されていますので、そこから商標登録日を確認する事ができます。

 

次に、商標更新の申請書を提出しましょう。

申請書のテンプレートは特許庁HPから入手できます。

更新書には、商標登録番号・申請人情報(識別番号・住所・氏名(名称))を記載します。

また、書類で郵送する場合は、特許印紙を貼り付ける必要があります。

特許印紙と収入印紙がありますが、特許印紙であることに注意しましょう。

 

申請書を提出すると、商標更新が完了したことが特許庁よりはがきで通知されます。

 

商標更新にかかる費用について

弁理士叶野徹
商標権の更新の金額は以下のとおりです。

・10年一括で更新する場合。 区分数×43,600円

・5年分割で更新する場合。  区分数×22,800円

 

通常は、10年で一括更新します。

しかし、10年以内に商標権が不要となる可能性がある場合は、いったん5年分割で更新することもあります。

 

ここで、区分の数によって、商標登録の費用が変わることにご注意ください。

区分とは、商標に使用したい商品やサービスのカテゴリーをいいます。

カテゴリーは第1類から第45類まであります。

例えば、Panasonic(登録商標)はテレビなどの電化製品(商品)に使用する商標であり、この場合は区分は第9類になります。

もし、電化製品だけでなく化粧品にも使用したい場合には化粧品に相当する区分である、第3類も指定する必要があり、この場合は区分は第3類と第9類の2区分となります。

すると、区分が一つ増えるため商標登録の費用は変わります。

通常、区分が一つ増えるごとに特許庁に支払う費用は以下のように増額します。

 

商標更新で注意すべきポイント

弁理士叶野徹
商標更新において注意すべきポイントは以下のとおりです。

期限を守ること

商標の使用状況を確認すること

商標の保護範囲を確認すること

 

まず、商標更新は登録日から10年が経過する前にする必要があります。

10年が過ぎても期限満了日から6月以内は更新は可能ですが倍額支払わないといけないところに注意してください。

さらに、6月以内を過ぎても「故意でなければ」更新できる場合はありますが、さらに高額の更新料を支払う必要があります。

 

また、商標更新の際には、商標の使用状況を確認しましょう。

例えば、商標権が複数の区分を指定しており、特定の区分しか商標を使用していない場合には、使用しない区分まで更新することが必要でないことがあります。

その場合、必要な区分だけ更新できますので注意しましょう。

 

さらに、商標を使用している商品・サービスが保護範囲に含まれているかどうか確認しましょう。

もし保護範囲に含まれていない場合は更新の意味がありませんので注意しましょう。

 

商標の更新のまとめ

以上のように、商標の更新をまとめました。

この記事を書いている弁理士が運営している特許事務所BrandAgentでは、更新手数料は5,000円(税別)でサポートをしています。

ぜひご利用いただければと思います。

 

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    • この記事を書いた人

    叶野徹

    京都の特許事務所BrandAgentを運営している弁理士です。関西の特許事務所→大手法律事務所→大手企業知財部→BrandAgentを設立。特許1,000件以上、商標2,000件以上をこれまでにサポートしています。趣味は温泉・サウナです。

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