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商標審査期間を短くしたい!ファストトラック審査と早期審査制度を弁理士がわかりやすく解説

悩んでいる方

商標登録って、審査にどれくらい時間がかかるの?
ファストトラック審査って聞いたことあるけど、何それ?
もっと早く登録できる方法はないの?

こうした疑問に、弁理士がわかりやすく解説します。

商標登録の審査には、通常5〜8ヶ月程度の時間がかかります
「もっと早く審査してほしい」という声に応えるために特許庁が設けたのが「ファストトラック審査」です。
ただし、この制度は現在休止中。では今はどうすればいいのか?
この記事では、ファストトラック審査の仕組みと現状、そして今使える審査期間の短縮方法まであわせて解説します。

この記事のポイント

  • 通常の審査期間:出願から最初の審査結果まで平均約6.9ヶ月(2024年実績)
  • ファストトラック審査:約6ヶ月に短縮できた制度だが、現在は休止中(再開時期未定)
  • 今使える短縮方法:「早期審査制度」を使えば平均約2ヶ月に短縮できる
  • 審査を早くする最大のコツ:指定商品・役務を基準どおりの表記で出願すること

審査期間を短縮したい方、出願方針について相談したい方はお気軽にご相談ください。
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記事の信頼性

  • 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
  • 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
  • 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
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  • 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。

この記事の構成

  • 1. 商標審査にかかる期間(最新データ)
  • 2. ファストトラック審査とは何か
  • 3. ファストトラック審査の対象要件(詳細)
  • 4. ファストトラック審査は今使える?現在の状況
  • 5. 今すぐ使える!審査を早くする方法
  • 6. 審査が遅くなりやすいNG例
  • 7. よくある質問(FAQ)

1. 商標審査にかかる期間(最新データ)

そもそも、商標登録の審査にはどれくらいの時間がかかるのでしょうか。
特許庁の最新データ(2024年)をもとに整理します。

商標審査期間の目安(2024年実績)

審査の種類 最初の審査結果まで
通常審査 平均 約6.9ヶ月
ファストトラック審査(休止中) 約6ヶ月(通常より約3ヶ月短縮)
早期審査制度 平均 約1.7〜2ヶ月

2024年の商標のファーストアクション期間(最初の審査結果が通知されるまでの期間)は平均6.9ヶ月です。早期審査対象案件は平均1.7ヶ月です。
かつては3〜4ヶ月程度だった審査期間が、出願件数の増加とともに延びてきた背景があります。2024年の商標登録出願件数は合計158,792件にのぼり、審査官が1件1件丁寧に審査しているためです。

2. ファストトラック審査とは何か

ファストトラック審査とは、対象となる出願について、出願から約6ヶ月で最初の審査結果を通知する審査運用のことです。
通常審査の平均より約3ヶ月早く結果が届く仕組みで、特許庁が2020年から試行してきました。

なぜ「ファストトラック」という名前なの?

「ファストトラック(Fast Track)」とは英語で「優先レーン」「特急コース」という意味です。
空港のセキュリティレーンに「一般」と「優先」があるように、商標審査にも一定の条件を満たした出願だけが使える「早い審査レーン」をイメージするとわかりやすいです。

申請は必要?手数料は?

ファストトラック審査は申請不要・手数料も無料でした。
対象要件を満たした出願は、特許庁が自動的に抽出してファストトラック審査の対象として処理する仕組みです。申請し忘れた、という心配がありません。

3. ファストトラック審査の対象要件(詳細)

ファストトラック審査の対象になるためには、以下の2つの条件を両方満たす必要がありました。

ファストトラック審査の対象要件(2条件)

条件①:出願時に「基準等表示」のみを指定していること

指定する商品・役務(サービス)が、以下のいずれかに掲載されている表記のみで記載されていること。

  • 類似商品・役務審査基準
  • 商標法施行規則
  • 商品・サービス国際分類表(ニース分類)

条件②:審査着手時までに指定商品・役務の補正をしていないこと

出願後に指定商品・役務の内容を変更(補正)していないこと。

対象外になるケース

ファストトラック対象外となる出願

  • 新しいタイプの商標(音商標・色彩のみの商標・動く商標など)
  • 地域団体商標に係る出願
  • 国際商標登録出願(マドプロ出願)
  • 店舗・施設の外観・内装からなる立体商標(令和2年4月1日以降)
  • 基準に掲載の表記と「少しでも異なる」商品名・役務名を指定している場合

特によくある落とし穴が「少しでも異なる表記はNG」という点です。
例えば、審査基準に「セミナーの企画・運営又は開催」と書かれているのに、願書に「セミナーの企画・運営」と書いた場合も対象外になります。漢字の誤記・句読点のズレも同様にNGとなります。

4. ファストトラック審査は今使える?現在の状況

重要:現在ファストトラック審査は休止中です

  • ファストトラック審査は令和4年度(2022年度)をもって休止しています
  • 休止の理由:通常の審査期間が短縮されたため(ファストトラックとの差が縮まった)
  • 再開時期は現時点で未定
  • 令和5年(2023年)3月31日以前の出願でファストトラック要件を満たすものは、引き続き対象となります
  • 再開する場合は特許庁ホームページで事前にお知らせされます

出典:特許庁 ファストトラック審査ページ(2025年5月28日更新)

ただし、ファストトラック審査が生まれた背景にある「指定商品・役務を基準どおりの表記にすること」という考え方は、現在も審査をスムーズに進めるための大切なポイントです。
次のセクションで、今すぐ使える短縮方法を解説します。

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5. 今すぐ使える!審査を早くする方法

ファストトラック審査が休止中の今、審査期間を短縮するために有効な方法が2つあります。

方法① 早期審査制度(最も効果的)

「早期審査制度」は、条件を満たす出願について平均約1.7〜2ヶ月で最初の審査結果が届く制度です。
通常の6.9ヶ月と比べると、大幅な短縮になります。

早期審査が使える条件(いずれか1つを満たせばOK)
①出願商標をすでに使用していて、かつ権利化に緊急性がある(模倣被害を受けているなど)
②出願商標をすでに使用していて、かつ指定商品・役務の全てが類似商品・役務審査基準等に掲載されている
③出願商標を指定商品・役務の全てにすでに使用している

早期審査は申請が必要で、「早期審査に関する事情説明書」を提出します。手数料は無料です。
「すでに使っているブランド名を急いで保護したい」「競合に先を越されそう」という場合に特に有効です。

方法② 出願時に基準どおりの表記で指定商品・役務を記載する

申請不要・費用ゼロでできる最も基本的な対策です。
ファストトラック審査が生まれた背景でもある「指定商品・役務を類似商品・役務審査基準やニース分類の表記どおりに記載する」ことで、審査がスムーズに進みやすくなります。
拒絶理由通知を受けると対応に時間がかかり、最終的な登録まで1年以上かかることもあります。最初から正確な表記で出願することが、審査期間を短くする近道です。

なお、指定商品・役務が基準の表記に該当するかを確認するツールとして、特許庁が提供する「商品・役務サポートツール」が引き続き無料で使えます(ファストトラック審査の休止後もツール自体は継続)。

6. 審査が遅くなりやすいNG例

以下のケースは、審査での拒絶理由通知につながりやすく、結果として登録までの期間が大幅に延びる原因になります。

審査が遅くなりやすいNG例

  • 指定商品・役務の表記が基準と少しでも違う:「セミナーの企画・運営」(基準は「セミナーの企画・運営又は開催」)など、一字一句異なるだけでNG
  • 先行する類似商標の調査をせずに出願:既存の登録商標に似ていると拒絶理由通知が来て、意見書対応が必要になる
  • 商標の識別力が弱い:商品の名称そのものや普通の言葉だけの商標は登録が難しく、審査が長引きやすい
  • 出願後に指定商品・役務を補正:補正を行うと審査手続きがリセットされ、期間が延びる
  • 書類の記載ミス:方式的な不備があると補正通知が届き、それだけで1〜2ヶ月ロスになる

「出願さえすれば自動的に早くなる」ではなく、「正確な出願書類を最初から作ること」が審査期間を短くする最大のポイントです。

7. よくある質問(FAQ)

Q. ファストトラック審査はいつ再開しますか?
特許庁によれば、現時点で再開時期は未定です。再開する場合は特許庁ホームページで事前にお知らせされます。今すぐ審査を早めたい場合は「早期審査制度」の活用をご検討ください。
Q. 通常の商標審査はどれくらいかかりますか?
2024年の実績では、出願から最初の審査結果(登録査定または拒絶理由通知)が届くまで平均約6.9ヶ月です。拒絶理由通知が届いた場合の対応期間を含めると、登録完了まで1年以上かかるケースもあります。
Q. 早期審査制度を使うと何ヶ月に短縮できますか?
平均約1.7〜2ヶ月で最初の審査結果が届きます(2024年実績)。ただし、拒絶理由通知が届いた場合の対応期間は別途かかります。
Q. 早期審査制度に費用はかかりますか?
特許庁への手数料は無料です。ただし弁理士に依頼する場合は代理人手数料がかかります。
Q. 指定商品・役務の表記を自分で確認する方法はありますか?
特許庁が無料で提供している「商品・役務サポートツール」を使うと、基準に掲載されている表記かどうかを簡単に検索・確認できます。ただし、出願の実務は複雑なため、弁理士への相談を推奨します。
Q. 審査を早くするために今すぐできることは何ですか?
まず「先行商標の調査」を行い、類似する登録商標がないか確認することが最優先です。次に、指定商品・役務を類似商品・役務審査基準やニース分類の表記どおりに正確に記載して出願することが大切です。すでに使用中のブランドであれば「早期審査制度」の利用も検討してください。
審査期間の短縮・早期審査についてご相談ください
「早く登録したい」「早期審査の要件を満たすか確認したい」「指定商品・役務の表記を正しく書きたい」など、状況に合わせてアドバイスします。
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まとめ

  • 通常の商標審査期間は出願から平均約6.9ヶ月(2024年実績)
  • ファストトラック審査は令和4年度をもって現在休止中(再開時期未定)
  • ファストトラック審査のポイントは「指定商品・役務を基準どおりの表記で出願すること」で、この考え方は現在も有効
  • 今すぐ使える短縮方法は「早期審査制度」(平均約2ヶ月)。条件を満たせば申請・手数料とも無料
  • 審査を早くする最大のコツは「最初から正確な出願書類を作ること」

商標登録をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

特許事務所BrandAgent
弁理士 叶野徹

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  • この記事を書いた人

叶野徹

京都の特許事務所BrandAgentを運営している弁理士です。関西の特許事務所→大手法律事務所→大手企業知財部→BrandAgentを設立。特許1,000件以上、商標2,000件以上をこれまでにサポートしています。趣味は温泉・サウナです。

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