商標権って、商標登録と何が違うの?
商標権を取ると、どこまで守れるの?
権利はいつ発生して、何年続くの?
こうした疑問に弁理士が解説します。
「商標登録」という言葉はよく知られていますが、
実際に事業を守るうえで重要なのは、その結果として発生する
「商標権」
です。
商標権とは、登録された商標を、指定した商品・サービスについて独占的に使いやすくする権利です。
言い換えると、ブランド名やロゴを単に“登録した”だけでなく、
その登録に基づいて守れる法的なポジション
が商標権です。
ただし、商標権は「何でも全部守れる強い権利」というわけではありません。
商標権の範囲は、
どのマークを、どの商品・役務について登録したか
で決まります。特許庁も、商標権は「マーク」と「それを使用する商品・役務」の組合せで構成されると説明しています。
この記事では、
商標権の基本 → いつ発生するか → 何ができるか → 存続期間 → 侵害との関係
の順に、初めての方にもわかりやすく整理します。
関連ページ:
商標登録の費用はいくら?
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結論:商標権とは、登録した商標を、指定した商品・サービスについて独占的に使いやすくする権利です。
- 発生時期:出願時ではなく、設定登録によって発生
- 権利範囲:マーク+指定商品・指定役務で決まる
- 存続期間:設定登録の日から10年。更新で何度でも延長可能
つまり、「名前を使っている」だけでなく、「登録して商標権を持っている」ことに大きな意味があります。
この記事でわかること
- 商標権とは何か
- 商標登録との違い
- 商標権はいつ発生するのか
- 商標権でどこまで守れるのか
- 存続期間と更新の仕組み
- 侵害された場合に何が問題になるのか
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商標権とは?
商標権とは、特許庁に登録された商標について発生する権利です。
ブランド名、サービス名、商品名、ロゴなどを、一定の商品・サービスについて保護するための権利と考えると分かりやすいです。
たとえば、同じような名前を他人が使い始めた場合でも、
商標権があれば、登録内容に応じて対応しやすくなります。
ここで大事なのは、商標権は単なる「名前の所有権」ではないという点です。
商標権は、
「どのマークを」「どの商品・サービスに」使うか
で成り立っています。
特許庁の入門資料でも、商標権の権利範囲はマークと商品・役務の2つの要素で定まると整理されています。
商標登録と商標権の違い

この2つは似ていますが、意味は少し違います。
商標登録は、特許庁に出願し、審査を経て登録される手続そのものを指すことが多いです。
一方、商標権は、その登録の結果として発生する権利です。
イメージとしては、次のように整理できます。
- 商標登録:権利を取るための手続
- 商標権:登録の結果として得られる権利
つまり、
「商標登録した」=「商標権を取得した」
という関係ですが、意味としては手続と権利で少し違います。
商標権はいつ発生するのか
ここも誤解が多いポイントです。
商標権は、出願した時点ではまだ発生しません。
審査を通過し、登録査定が出て、登録料を納付し、
設定登録がされた時点
で商標権が発生します。
つまり、
- 出願
- 審査
- 登録査定
- 登録料納付
- 設定登録 → 商標権発生
という流れです。
したがって、
出願中=もう完全に守られている
と考えるのは危険です。
登録前後で法的な位置づけはかなり違います。
商標権で何が守られるのか
商標権で守られるのは、登録したマークそのものだけではありません。
実務では、同一の商標だけでなく、一定の範囲で類似の問題も出てきます。
ただし、最初の理解として最も大事なのは、
商標権の権利範囲は「マーク」と「指定商品・指定役務」で決まる
ということです。
たとえば、同じような名前でも、商品・サービスが大きく異なれば、必ずしも同じ権利範囲になるとは限りません。
逆に、商品・サービスが近ければ、権利侵害や拒絶理由の問題になりやすいです。
指定商品・指定役務が重要な理由
商標権は、何に使う商標なのかが非常に重要です。
これが「指定商品」「指定役務」です。
特許庁も、指定商品・指定役務が商標の権利範囲を定めると説明しています。
たとえば、
- 同じブランド名でも、アパレルに使うのか
- 飲食店のサービスに使うのか
- アプリに使うのか
で、権利の意味合いは変わります。
だからこそ、商標出願では「名前」だけでなく、
どの区分・どの指定商品役務で取るか
の設計が非常に重要です。
商標権の存続期間は何年?
商標権の存続期間は、
設定登録の日から10年
です。
そして、商標権は更新登録の申請により、
10年ごとに何度でも更新可能
です。
これは、特許権などと比べても商標権の特徴です。
商標は、事業活動を続ける中で信用が積み重なっていくため、使い続ける限り長く維持する意味があります。特許庁も、商標は業務上の信用を保護する制度であるため、更新により何度でも存続できると説明しています。
更新はいつするのか
更新登録申請は、
存続期間満了の6か月前から満了日まで
行うことができます。
この期間を過ぎた場合でも、一定の追加負担を伴って手当てできる場面がありますが、基本は早めに管理するべきです。
特許庁から自動で十分に面倒を見てくれるわけではないので、
更新管理は自分でしっかり行う
必要があります。
関連:
商標更新とは?
商標権の役割は何か
INPITは、商標には主に
出所表示機能、品質保証機能、広告機能
があると説明しています。
これを事業者目線で言い換えると、次のようになります。
- 出所表示:どの会社・ブランドの商品か分かる
- 品質保証:同じブランドなら一定の品質が期待される
- 広告機能:ブランドの認知そのものが価値になる
つまり、商標権は単に“名前を守る権利”ではなく、
ブランドに蓄積された信用そのものを守る仕組み
です。
商標権があると何ができるのか
商標権を持っていると、次のような実務上のメリットがあります。
- 自社ブランドを守りやすい
- 他人に似た名前を使われたときに対応しやすい
- ECやライセンス、提携の場面で説明しやすい
- ブランド資産として扱いやすい
また、商標権は譲渡やライセンスの対象にもなり得ます。
つまり、商標権は単なる防御手段ではなく、
事業資産
としての意味もあります。
関連:
商標権の譲渡とは?
商標権侵害とはどういうことか
商標権侵害というと、単に「同じ名前を使ったら全部アウト」と思われがちですが、実際にはもっと丁寧に見ます。
問題になるのは主に、
- どんなマークを使ったのか
- どんな商品・サービスに使ったのか
- 登録内容との関係はどうか
です。
つまり、
商標が似ているかどうかだけでなく、商品・サービスとの関係も重要
です。
この点は、拒絶理由の4条1項11号とも通じます。
会社登記やドメイン取得だけでは商標権にならない
これは非常によくある誤解です。
- 会社登記:会社名に関する制度
- ドメイン取得:ウェブ上の住所
- 商標権:ブランド名を商品・サービスとの関係で守る権利
これらは別の制度です。
会社名で登記していても、ドメインを持っていても、それだけで商標権があることにはなりません。
どんなタイミングで商標権を意識すべきか
商標権は、次のような場面で特に重要になります。
- 新ブランド立ち上げ前
- 新商品・新サービスの発表前
- EC展開・広告出稿の前
- ライセンスや共同事業の前
- M&Aや事業譲渡の前後
要するに、
「その名前にお金をかける前」
に商標権を意識するのが理想です。
よくある質問(FAQ)
- Q. 商標権とは、一言でいうと何ですか?
A. 登録した商標を、指定した商品・サービスについて守りやすくするための権利です。 - Q. 商標権はいつ発生しますか?
A. 出願時ではなく、設定登録によって発生します。 - Q. 商標権は何年続きますか?
A. 設定登録の日から10年で、更新により何度でも延長できます。 - Q. 商標権があれば、同じ名前は全部止められますか?
A. 一概には言えません。権利範囲は、登録したマークと指定商品・指定役務によって決まります。
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