商標出願って、商標登録と何が違うの?
出願したらすぐに権利になるの?
どんな流れで登録まで進むのか知りたい。
こうした疑問に弁理士が解説します。
「商標登録」という言葉はよく知られていますが、実務ではまず
「商標出願」
から始まります。
商標出願とは、ブランド名、商品名、サービス名、ロゴなどについて、特定の商品・サービスに使う商標として登録を受けたいときに、特許庁へ申請する手続です。出願時には、商標見本、出願人、区分、指定商品・指定役務などを定めて提出します。
ただし、ここで大事なのは、
出願しただけでは、まだ商標権は発生しない
という点です。
商標権は、審査を通過し、登録料を納付し、設定登録がされた時点で発生します。
この記事では、
商標出願の基本 → 出願に必要なもの → 登録までの流れ → よくある失敗
の順に整理します。
関連ページ:
商標登録の費用はいくら?
商標の無料相談はこちら
- 出願時に決めること:商標、区分、指定商品・役務、出願人
- 出願後の流れ:審査 → 登録査定 → 登録料納付 → 設定登録
- 重要な点:出願=登録ではない
つまり、商標出願は「権利取得のスタート」です。登録まで見据えて設計することが大切です。
この記事でわかること
- 商標出願とは何か
- 商標登録との違い
- 商標出願に必要な項目
- 出願から登録までの流れ
- 出願時によくある失敗と注意点
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商標出願とは?
商標出願とは、商標登録を受けるために、特許庁へ申請する手続です。
特許庁の手続案内でも、商標登録出願では、商標登録願に必要事項を記載し、商標見本や指定商品・役務等を定めて提出するとされています。
ここでいう「商標」は、次のようなものです。
- ブランド名
- 商品名
- サービス名
- 会社名・屋号
- ロゴマーク
- 店舗名
- アプリ名
つまり、事業で使う“名前やマーク”を守るための最初の正式手続が商標出願です。
商標出願と商標登録の違い

ここは初心者の方が一番混同しやすいポイントです。
商標出願は、あくまで
「登録を求める申請」
です。
一方、商標登録は、審査を通過し、登録料を納付した後に設定登録される段階です。商標権は設定登録によって発生します。
整理すると、次のとおりです。
- 商標出願:登録の申込み
- 商標登録:審査後に正式に登録された状態
- 商標権:設定登録によって発生する権利
したがって、
「出願したから、もう完全に権利がある」
と考えるのは危険です。
商標出願で決めること
商標出願では、主に次の事項を決めます。
1. どの商標を出願するか
文字だけで出すのか、ロゴで出すのか、あるいは両方か。
ここでの設計は、その後の権利範囲に大きく影響します。
関連:
ロゴは商標登録できる?
2. 出願人を誰にするか
個人名義なのか、法人名義なのか、グループ会社のどこで持つのか。
後で譲渡や名義変更が必要になることもあるため、最初の設計が大事です。出願人情報は願書の必須事項です。
3. 区分をどうするか
商標は、どの商品・サービスについて守りたいかで区分を選びます。
区分は第1類から第45類まであり、出願時にどの区分で出すかを決めます。区分数によって費用も変わります。
関連:
商標の区分とは?
4. 指定商品・指定役務をどう書くか
区分だけでなく、その中で具体的に何を守りたいのかを書きます。
この指定商品・役務の書き方が曖昧だと、補正や拒絶理由の原因になります。特許庁も、商品・役務の表示には明確性が必要と案内しています。
商標出願の流れ
商標出願から登録までの流れは、概ね次のとおりです。
- 商標を決める
- 先行商標調査をする
- 区分・指定商品役務を決める
- 出願する
- 方式・実体審査を受ける
- 登録査定または拒絶理由通知
- 登録料納付
- 設定登録
特許庁の説明でも、出願後は審査が行われ、登録要件を満たせば登録査定、満たさなければ拒絶理由通知がされる流れです。
出願前に先行商標調査が重要な理由
出願はできますが、調査せずに出すのは危険です。
なぜなら、先に似た商標が登録されていると、
4条1項11号などで拒絶
される可能性が高いからです。審査では先行登録商標との関係が重要に見られます。
つまり、商標出願の成否は、
出願書類を書いた時点ではなく、その前の調査と設計でかなり決まる
とも言えます。
関連:
商標調査とは?
商標法4条1項11号とは?
商標出願にかかる費用
商標出願時には、特許庁へ出願料を納付します。
商標出願料は、1区分12,000円で、2区分以上は追加区分ごとに8,600円が加算されます。登録時には別途登録料が必要です。
たとえば、
- 1区分:出願時 12,000円
- 2区分:出願時 20,600円
となります。
費用の詳細は別記事で整理しています。
商標登録の費用はいくら?
商標出願後に起こりうること
商標出願後、必ずそのまま登録されるわけではありません。
実務では次の2パターンが多いです。
1. 登録査定
審査官が問題なしと判断した場合です。
この場合、登録料を納付すれば設定登録に進みます。
2. 拒絶理由通知
審査官が、識別力不足や先行商標との類似などの問題を見つけた場合です。
この場合、意見書や補正書で対応するチャンスがあります。
関連:
拒絶理由通知とは?
自分で商標出願できる?
自分で出願すること自体は可能です。
ただし、難しいのは「申請書を出すこと」そのものではなく、次の部分です。
- 区分選定
- 指定商品・役務の設計
- 先行商標調査
- 拒絶理由通知への対応
つまり、
“出せるか”より、“通るように出せるか”が大事
です。
商標出願でよくある失敗
商標出願でよくある失敗
どんなタイミングで商標出願すべきか
理想は、
名前を決めて、その名前に本格投資する前
です。
たとえば次のようなタイミングです。
- 新商品・新サービスの発表前
- ホームページ公開前
- 広告開始前
- EC出店前
- 営業開始前
名前が広まってからトラブルになる方が、修正コストはずっと大きくなります。
よくある質問(FAQ)
- Q. 商標出願とは何ですか?
A. 商標登録を受けるために、特許庁へ商標登録願を提出する手続です。 - Q. 商標出願したらすぐ権利になりますか?
A. いいえ。審査を通過し、登録料納付後に設定登録されて初めて商標権が発生します。 - Q. 商標出願は自分でもできますか?
A. 可能です。ただし、区分、指定商品・役務、調査、拒絶対応が難所です。 - Q. 商標出願で一番大事なのは何ですか?
A. 実務上は、先行商標調査と区分・指定商品役務の設計が非常に重要です。
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