中国商標

中国で商標登録しないと危険?冒認出願リスクとAmazonセラーへの影響

悩んでいる方

「日本で商標登録してるから大丈夫」——そう思ったまま、工場に裏切られたセラーを何人も見てきました。

これは脅しではありません。中国での商標を持たないまま中国工場にOEM生産を委託し、ある日突然——商標をその工場に先に登録されてしまった。そんな実例が、今この瞬間も起きています。

Amazonで安定して売れているブランドほど、狙われます。

この記事では、中国仕入れ・OEM生産をしているAmazonセラーが絶対に知っておくべき「中国商標の落とし穴」と、累計4,000件超の日本への商標出願をサポートしてきた弁理士・叶野 徹の実務的な解決策をお伝えします。

この記事でわかること

  • 「日本登録済み=中国でも安心」という誤解がなぜ致命的か
  • 工場の冒認出願(横取り登録)でAmazonアカウントが停止されるまでの流れ
  • マドプロより中国直接出願がAmazonセラーに向いている理由
  • 中国商標を最短で、確実に取得するための実務的アプローチ

①「日本で登録済みだから安心」——その認識が、ビジネスを終わらせる

まず、根本的な誤解を解消しておかなければなりません。

商標権は、登録した国の中でしか効力を持ちません。

日本で取得した商標権は、あくまで日本国内での保護です。中国国内では、一切の効力を持ちません。これは商標法の国際的な大原則であり、例外はありません。

つまり——

  • 日本でブランドを商標登録していても、
  • そのブランド名を中国国内で誰かが先に登録してしまえば、
  • 中国ではその「誰か」が正規の商標権者になる。

あなたのブランドを何年も育ててきた。日本のAmazonで売上を積み上げてきた。しかし中国国内においては、その事実は一切考慮されません。

中国商標の大原則:先に登録した者が勝つ


中国の商標制度は「先使用主義」ではなく、「先願主義(先に出願・登録した者が権利を持つ)」を採用しています。どれだけ長く使っていても、先に登録されれば負けます。著名ブランドを除き、救済は極めて困難です。

②これが現実:工場はあなたのブランドを「資産」として狙っている

「まさかうちの工場が…」と思う方ほど危ない。JETROや特許庁が繰り返し警告しているように、中国での「冒認出願」(ぼうにんしゅつがん)は、OEMビジネスで最も頻発するトラブルのひとつです。

用語解説:冒認出願とは?
他人がすでに使用しているブランド名や商標を、正規の権利者より先に、第三者が勝手に中国で出願・登録してしまうこと。中国では"傍観者登録"とも言われ、ビジネスパートナー(工場・輸入代理店など)による悪意ある先取り登録が多数確認されています。

【シナリオ1】ある日、工場から届く「ライセンス料の請求書」

あなたが数年間、発注を続けてきた中国の工場。その工場が密かにあなたのブランド名を中国国内で商標登録していた——。

その後に起きることは、次のような展開です。

  1. 工場から「このブランド名の中国での商標は弊社が持っています」と通知が来る
  2. 「引き続き生産してほしければ、ライセンス料を支払ってください」と要求される
  3. 拒否すれば、工場は別の販売者に同じ商品を流し、あなたが「侵害者」にされるリスクがある

これは架空の話ではありません。JETROが公表している事例にも、実際に日本企業がこのパターンで被害を受けたケースが複数含まれています。

【シナリオ2】Amazonで突然「侵害申告」が来てアカウントが止まる

さらに深刻なのが、Amazonのブランド保護機能(Amazon Brand Registry・Transparency等)が逆手に取られるケースです。

中国で冒認出願した第三者が、その登録商標を使ってAmazonに「このセラーは侵害者だ」と申告する。Amazonのシステムはその申告を受け付け、あなたのアカウントを停止させます。

「被害者のはずが、Amazonからは侵害者として扱われる」——この逆転が起きるのが、中国商標問題の最も残酷な側面です。

アカウント停止後の回復は長期戦になります。在庫は凍結され、売上はゼロになり、事業継続が困難になることも珍しくありません。

なぜAmazonは「中国の商標権者」の申告を受け付けるのか?


Amazon Brand Registry(ブランド登録)への申請には、各国で正式に登録された商標(Rマーク付き)が必要です。中国で商標を取得した第三者は、Amazonに対して「正規の商標権者」として申請が可能です。Amazonはプラットフォームとして知的財産権を尊重する立場から、有効な登録商標に基づく申告を受け付ける仕組みになっています。あなたが「先に使っていた」という事実だけでは、この申告を覆すことは容易ではありません。

③「マドプロ出願」より「中国直接出願」がAmazonセラーに向いている理由

「中国で商標を取ればいいんでしょ。マドプロ(国際商標出願)を使えばいいんじゃないの?」

そう思った方へ、実務の話をします。

用語解説:マドプロ(マドリッド協定議定書)とは?
WIPOという国際機関を通じて、複数の国に一括で商標を出願できる国際的な制度。一度の手続で複数国をカバーできる反面、出願から審査完了まで時間がかかる・細かい補正対応に制約がある、といった特徴があります。
マドプロ出願(国際出願) 中国直接出願
手続のスピード 日本出願→WIPO→中国と経由するため時間がかかる 中国当局へ直接出願。早期審査も活用可能
補正・対応の柔軟性 指定商品の変更等に制約がある 現地代理人と連携して柔軟に対応できる
日本出願への依存 日本の基礎出願・登録が必要。登録前は出願できない国もある 日本の登録状況と無関係に出願できる
中国での実務対応 中国語での補正・意見書対応が間接的になりがち 現地代理人が直接対応。審査官とのやり取りもスムーズ
Amazonセラーへの向き不向き 複数国をまとめて押さえたい場合や、中国以外も含む場合に向く 中国一国を早急に押さえたいAmazonセラーに最適

Amazonセラーにとって最大の脅威は「今すぐ中国でだれかに先取りされること」です。スピードが命です。マドプロは複数国を効率的にカバーする優れた制度ですが、中国一国を最短で押さえることを優先するなら、中国直接出願の方が合理的です。

また、中国の商標審査では現地代理人の存在が非常に重要です。指定商品・役務の設計、審査官への応答、拒絶理由への対応——これらを中国語で、現地の実務慣行に沿って処理できる代理人なしには、的確な権利取得は難しいのが実情です。

④なぜ今すぐ動くべきか——「先に出願した者が勝つ」は時間との戦い

中国商標の審査には通常10〜18ヶ月かかります。しかし、出願日の確保はその日に行われます。

つまり、今日出願すれば、今日の日付で中国での優先権が生まれます。逆に言えば、明日誰かが先に出願すれば、あなたはその瞬間に後れを取ります。

「来期の予算で考えよう」「まず売上を伸ばしてから」——そう考えているあいだに、工場は動いているかもしれません。あなたのブランドが順調に売れているほど、動機は大きくなります。

手遅れになる前に確認すべき3つのこと

  1. あなたのブランド名は、中国で誰かにすでに登録されていないか?
    → J-PlatPat中国版(中国商標局の公開データベース)で検索できますが、専門家による調査が確実です。
  2. OEM工場との契約書に、商標権に関する条項はあるか?
    → 「製造した商品のブランドは発注者に帰属する」旨の条項がなければリスクがあります。
  3. Amazonのブランド登録(Brand Registry)を中国商標でも行っているか?
    → 中国商標を取得してAmazonに登録しておくことで、冒認申告に対する防衛力が格段に上がります。

⑤叶野 徹弁理士に相談すべき理由——日本への4,000件超の商標出願が、あなたのブランドを守る

ブランドエージェント特許事務所の代表弁理士、叶野 徹は、これまで累計4,000件超の日本への商標出願をサポートしてきました。中国を含む海外商標の実務経験も豊富に持ち、特にAmazonセラーが直面する知財リスクへの対応を数多く手がけています。

中国現地の信頼できる代理人と密に連携

中国商標の出願・管理には、現地の代理人(中国弁理士)との連携が不可欠です。当事務所は中国の信頼できる現地代理人と長期的なパートナーシップを構築しており、出願から審査対応・権利維持まで一貫してサポートします。

単に書類を「転送する」だけの窓口ではなく、日中双方の実務慣行を熟知したうえで、最適な戦略を提案します。

最短1営業日以内の圧倒的なレスポンス

「急いでいるのに、返信が来ない」「何をすべきか整理してほしいのに、資料だけ送られてきた」——そういった経験をされた方からのご相談も多くいただいています。

叶野弁理士は、原則としてお問い合わせ後、最短1営業日以内に回答します。スピードが命のAmazonビジネスにおいて、弁理士の判断・対応の速さは、そのままブランド防衛力に直結します。

「商標は保険」というスタンスで、ビジネス全体を守る

商標登録は、手続きのために行うものではありません。あなたが築いてきたブランドと売上を守るための保険です。

4,000件超の日本への商標出願をサポートしてきた叶野弁理士だからこそ、「何をいつまでに取るべきか」という戦略的な優先順位を、あなたのビジネスの状況に合わせてアドバイスできます。

⑥結び:手遅れになる前に、まず1分で終わる無料診断を

「中国での商標、まだ取っていない」という方へ。

今この瞬間にも、あなたのブランド名を誰かが調べているかもしれません。工場があなたの出荷履歴からブランド名を把握し、商標局のデータベースを検索しているかもしれません。

中国商標の出願は、早ければ早いほどいい。それは疑いようのない事実です。

まずは無料相談で、現状を整理してください。「自分のケースで何が必要か」「すでに冒認されていないか」「どのカテゴリ(区分)で出願すべきか」——叶野弁理士が、ビジネスの状況に合わせて整理します。

中国商標・Amazon知財対策について、無料でご相談いただけます。

累計4,000件超の日本への商標出願をサポートしてきた弁理士が、あなたのブランドを守るための最短ルートをご提案します。

ブランドエージェント特許事務所
代表弁理士 叶野 徹(かの とおる)

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  • この記事を書いた人

叶野徹

京都の特許事務所BrandAgentを運営している弁理士です。関西の特許事務所→大手法律事務所→大手企業知財部→BrandAgentを設立。特許1,000件以上、商標2,000件以上をこれまでにサポートしています。趣味は温泉・サウナです。

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