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標準文字商標とは?ロゴ商標との違いと選び方

悩んでいる方

標準文字商標って何?普通の文字商標と何が違うの?
ロゴで出すのと、標準文字で出すのはどっちがいい?
ブランド名を守るなら、どの出し方を選ぶべき?

こうした疑問に弁理士が解説します。

商標出願を考えるとき、よく出てくるのが
「標準文字」
という言葉です。

しかし、初めての方にとっては、

  • 標準文字って何?
  • ロゴ商標と何が違う?
  • 文字だけで出すのと、デザイン付きで出すのとで何が変わる?

といった疑問が出やすいと思います。

商標法第5条第3項では、文字のみにより構成される商標について、出願人が特別の態様(デザイン・書体など)を権利主張しないときに、特許庁長官が定めた一定の文字書体によるものとして公表・登録する制度を定めています。これが「標準文字」制度です。

簡単に言うと、
「この言葉そのものを守りたい。特定のフォントやデザインにこだわらず登録したい」
というときに使うのが標準文字です。

この記事では、
標準文字商標の基本 → ロゴ商標との違い → どちらを選ぶべきか → よくある勘違い
の順に整理します。

関連ページ:
ロゴは商標登録できる?
商標登録とは?
商標の無料相談はこちら

結論:標準文字商標とは、「文字そのもの」を、特定のデザインにこだわらず登録する制度です。

  • 標準文字:文字の内容そのものを重視して守る
  • ロゴ商標:文字や図形の見た目・デザイン込みで守る
  • 選び方:ブランド名そのものを守りたいなら標準文字、ロゴの見た目も守りたいならロゴ商標

実務では、文字商標(標準文字)とロゴ商標を目的に応じて使い分けることが多いです。

この記事でわかること

  • 標準文字商標とは何か(法律の根拠も含めて)
  • 標準文字商標とロゴ商標の違い
  • 標準文字で出願できる条件
  • どちらを選ぶべきかの判断基準
  • よくある失敗と勘違い
記事の信頼性

  • 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
  • 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
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標準文字商標とは?制度の根拠から理解する

標準文字商標とは、文字のみにより構成される商標について、出願人が特定のデザインや書体を権利主張しない場合に、特許庁長官が定めた標準文字で公表・登録する制度です(商標法第5条第3項)。

標準文字は、平成9年2月24日に最初の指定がなされ、その後改定を経て、現在は平成28年9月23日発行の特許庁公報(公示号9)において改めて指定されたものが適用されています。

つまり、たとえば「BRANDAGENT」という名前を守りたいとしても、

  • どのフォントか
  • どの太さか
  • どのデザインか

までは問わず、
"文字列そのもの"を登録したい
ときに使う制度です。

願書への記載方法については、【商標登録を受けようとする商標】欄の次に【標準文字】と記録します。これにより、特許庁長官があらかじめ指定した文字に置き換えた商標が「商標登録を受けようとする商標」となります。

商標の種類と文字商標の位置づけ

商標法では、「商標」を文字、図形、記号、立体的形状もしくは色彩またはこれらの結合、音その他政令で定めるものと定義しています(商標法第2条第1項)。

文字商標はそのひとつで、カタカナ・ひらがな・漢字・ローマ字・数字などで表される、文字のみからなる商標です。「SONY」などがその代表例として挙げられます。

その中でも標準文字商標は、特許庁の定める標準文字の範囲内で文字列そのものを登録するものです。

商標の主な種類

  • 文字商標:カタカナ・漢字・ローマ字などの文字のみからなる商標
  • 図形商標:写実的または図案化した図形のみからなる商標
  • 結合商標:文字と図形など複数の要素を組み合わせた商標
  • 立体商標:立体的形状からなる商標
  • 音商標・色彩商標・動き商標等:平成27年4月から追加された新しいタイプの商標

標準文字商標と通常の文字商標の違い

弁理士叶野徹

ここは少し分かりにくいですが、実務ではかなり大事なポイントです。

「文字商標」という言い方は広く、文字だけの商標全般を指すことがあります。
その中でも、

  • 標準文字商標:特許庁長官の定める標準文字で登録するもの。願書に【標準文字】と明記する。
  • 通常の文字商標:特定の文字デザインや態様をそのままイメージデータとして提出するもの

という違いがあります。

特許庁の出願ガイドでも、標準文字のみの商標以外の平面商標については、イメージデータを商標見本として提出する案内になっています。標準文字として認められない場合は、通常の出願として取り扱われることになります。

つまり、
文字だけで構成されていても、必ずしも全部が「標準文字商標」になるわけではない
ということです。

ロゴ商標とは何が違う?

ロゴ商標は、文字のデザイン、図形、色彩、配置など、見た目を含めて登録する商標です。

たとえば、

  • 文字に特徴的な装飾がある
  • 図形と文字が結合している(結合商標)
  • 特定のロゴデザインそのものを守りたい

という場合は、ロゴ商標として出願する発想になります。

整理すると、次の違いがあります。

種類 主に守るもの 特徴
標準文字商標 文字列そのもの 特定の書体・デザインにこだわらない
ロゴ商標(結合商標等) 見た目・デザイン込みのロゴ 図形や装飾を含めて保護を考える

標準文字商標のメリット

標準文字商標のメリットは、やはり
文字列そのものを中心に守りやすい
ところです。

1. フォント変更に影響されにくい

ブランド名は同じでも、ホームページ・名刺・パッケージ・広告でフォントが変わることはよくあります。標準文字商標は特定のデザインではなく文字列そのものを扱う制度なので、こうした運用と相性がよいです。

なお、不使用取消審判の場面では、書体のみに変更を加えた同一の文字からなる商標(例:明朝体とゴシック体の違いなど)は「社会通念上同一と認められる商標」として、登録商標の使用と認められています(商標法第50条参照)。これも標準文字との親和性が高い考え方です。

2. ブランド名そのものを守る発想に向いている

新ブランドを立ち上げるとき、まず守りたいのは「名前」そのもの、ということが多いです。その場合は標準文字商標が候補になります。

3. 文字中心の事業と相性がよい

サービス名・教室名・アプリ名・ECブランド名など、
ロゴより名前で認知されるビジネス
では特に相性がよいです。

BrandAgentでは、これまで2,000件以上の商標出願をサポートしています。標準文字で出すか、ロゴ商標で出すかについても、事業の特性を踏まえてご案内しています。

標準文字商標のデメリット・注意点

一方で、標準文字商標は万能ではありません。

1. 図形や装飾は守れない

標準文字はあくまで文字のみの制度です。図形のみからなる商標、図形と文字の結合商標などは、標準文字による出願とは認められません。

2. 標準文字として認められない場合がある

特許庁長官が定める標準文字の範囲外の文字(指定外文字)や特定の装飾・図形要素などを含む場合、標準文字として扱われず通常出願になることがあります。

3. ロゴの見た目自体を守りたいなら別途検討が必要

ブランドの顔としてロゴの視覚的印象が重要なら、標準文字だけでは足りないことがあります。文字のデザイン性・配色・図形との組み合わせまで守りたい場合は、ロゴ商標としての出願を検討する必要があります。

ロゴ商標のメリット

ロゴ商標の強みは、
見た目を含めたブランド表現
を守りやすいことです。

たとえば、

  • 特徴的なマークがある
  • 文字デザイン自体がブランド価値になっている
  • ロゴの視覚的印象で認知されている

という場合には、ロゴ商標の重要性が高いです。

関連:ロゴは商標登録できる?

結局、標準文字とロゴ商標はどちらがいい?

答えは、
「何を守りたいかによる」
です。

標準文字が向いているケース

  • ブランド名そのものを守りたい
  • フォントや見せ方を今後変える可能性がある
  • サービス名・商品名が中心のビジネス

ロゴ商標が向いているケース

  • 特徴的なロゴデザインがある
  • 図形や装飾込みでブランドが認知されている
  • 視覚的印象を重視するブランド

実務上よくある考え方

実務では、
「標準文字で名前を押さえる」+「必要に応じてロゴも押さえる」
という組み合わせがよくあります。

名前は名前で守り、ロゴはロゴで守る、という考え方です。商標権の権利範囲はマークと指定商品・役務の2つの要素で定められており(商標法第3条参照)、両面から保護することで、より強固なブランド防衛が可能になります。

標準文字として認められるための条件

特許庁の案内では、標準文字として認められるための条件が示されています。ざっくり言うと、

  • 文字のみで構成されること
  • 特許庁長官が定めた標準文字の範囲内であること
  • 特定の装飾・図形表現を含まないこと

などがポイントです。

「文字だから全部標準文字で出せる」と思い込むのは危険です。標準文字として認められない場合は通常出願として取り扱われることになるため、事前の確認が重要です。

商標登録できない場合にも注意

標準文字・ロゴを問わず、そもそも商標登録を受けられない場合があることも押さえておきましょう。

商標法第3条では、以下のような商標は識別力がないとして登録を受けられないと定めています。

登録できない商標の例(商標法第3条)

  • 商品・役務の普通名称のみからなるもの(例:商品「アルミニウム」に「アルミ」の文字)
  • 業界で慣用されている商標(例:清酒について「正宗」の文字)
  • 産地・品質などのみを表示するもの(例:和菓子について「東京」の文字)
  • ありふれた氏名・名称のみ(例:「佐藤商店」「山田」など)
  • 極めて簡単でありふれた標章のみ(例:ローマ字1〜2文字、数字など)

ただし、使用により全国的な識別力を獲得したと認められる場合は例外的に登録が認められることがあります(商標法第3条第2項)。

また、他人の登録商標や周知商標と類似するもの、国旗・公共機関の標章と紛らわしいものなども登録できません(商標法第4条)。

よくある失敗

標準文字商標でよくある失敗

  • ロゴを守りたいのに、標準文字だけで十分だと思ってしまう
  • 文字装飾があるのに、標準文字で出願できると思い込む
  • ブランド名とロゴの役割を分けて考えていない
  • 今後のブランド運用(フォント変更・ロゴ刷新)を考えずに決める
  • 「文字だから全部標準文字で出せる」と思い込む

よくある質問(FAQ)

  • Q. 標準文字商標とは何ですか?
    A. 商標法第5条第3項に基づき、文字のみの商標について、特定のデザインを権利主張せず、特許庁長官が定めた標準文字で登録する制度です。
  • Q. 標準文字で登録すると、権利範囲は広くなりますか?
    A. 標準文字登録でも通常の商標登録と比べて権利範囲の広狭に差異はないとされています。商標権の範囲はマークと指定商品・役務の組み合わせで決まります。
  • Q. ロゴを守りたい場合も標準文字でいいですか?
    A. ロゴの見た目や図形を守りたいなら、ロゴ商標としての出願を検討した方がよいです。標準文字では図形や装飾はカバーできません。
  • Q. 文字だけなら全部標準文字で出せますか?
    A. いいえ。標準文字として認められる条件があり、指定外文字や図形的要素を含む場合などは通常出願として扱われます。
  • Q. 標準文字商標の審査はどう行われますか?
    A. 通常の商標登録と同じく、方式審査・実体審査を経て、拒絶理由がなければ登録査定となります。商標制度には審査請求制度はなく、出願されたものすべてが審査されます。

まとめ

この記事のポイント

  • 標準文字商標は、商標法第5条第3項に基づき、文字列そのものを特定のデザインにこだわらず登録する制度
  • 標準文字として認められるには、特許庁長官が定めた文字の範囲内であることが必要
  • ロゴ商標とは「守るもの」が異なる。文字列を守るなら標準文字、見た目を守るならロゴ商標
  • 実務では、標準文字+ロゴの組み合わせで両面から守るケースも多い
  • そもそも登録できない商標(識別力なし・他人の登録商標と類似など)への注意も必要

標準文字で出すべきか、ロゴで出すべきか、あるいは両方必要かについては、事業内容やブランドの使い方によって判断が変わります。迷ったときはお気軽にご相談ください。

商標登録をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

特許事務所BrandAgent
弁理士 叶野徹

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  • この記事を書いた人

叶野徹

京都の特許事務所BrandAgentを運営している弁理士です。関西の特許事務所→大手法律事務所→大手企業知財部→BrandAgentを設立。特許1,000件以上、商標2,000件以上をこれまでにサポートしています。趣味は温泉・サウナです。

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