PCT出願って、どんなものなの?
PCT出願は『Patent Cooperation Treaty』の略で、国際特許協力条約のことを指しているんだよ。
これは、特許を国際的に守るための便利な手続きなんだ。
へえ、国際的な特許保護ってこと?
そうそう、その通り!自国で特許を取るだけじゃなく、PCT出願を通じて他の国でも特許を守れるんだ!
でも、手続きがちょっと複雑かもしれないから、一緒に掘り下げていこう!
わかりやすく説明してくれてありがとう!
どうやって申請すればいいの?
それはね、自国出願から始めるんだ。
それから国際段階に進んで特許庁の査定を受け、国際特許文書を作るんだ。
最後に、各国で国内特許を取得するために出願できるんだよ。
手続きの詳細も解説していくから、一緒に進めていこう!
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PCT出願とは何か?メリットとデメリットは?
PCT出願って、具体的には何なの?
PCT出願は、特許を国際的に保護するための手続きのことだよ。
国際特許協力条約(PCT)に基づいて、1つの出願で複数の国で特許を申請できる仕組みなんだ。
なるほど、それではPCT出願のメリットは何かしら?
メリットはいくつかあるよ。
最初のメリットは、1つの出願で多くの国で特許を保護できることなんだ。
通常、各国に特許を申請するには個別に手続きを行う必要があるけれど、PCT出願をすることで、1つの出願から複数の国で特許保護が可能になるよ。
これにより、国際市場での展開が容易になるんだ!
他には?
次に、国際段階での審査の査定があることがメリットだよ。
PCT出願は、国際特許庁で査定され、特許の有効性や問題点が分かるんだ。
これは後の出願や特許の品質向上に役立つよ!
つまり、他の国で特許を出願する前に、特許申請書類の問題点を修正して、より洗練したものにできるんだ。
他には?
PCT出願の手続きが統一されていることも大きなメリットだよ。
PCT出願の手続きは国際的に共通しており、特許申請者は異なる国の異なる法律や手続きに合わせる必要がないんだ。
これにより、手続きが簡略化され、効率的に特許保護が進められるよ。
いいね、でもデメリットはあるの?
デメリットもあるよ。
まず、費用がかさむことが挙げられる。
国際段階や各国の出願には費用が発生するから、予算を考えないといけない。
2つ目は、成功が保証されないこと。
PCT出願の国際段階での審査で特許の有効性が認められても、各国の特許庁での審査をクリアしないと特許が取得できないし、成功が100%確定的ではないんだ。
※費用については後述します。
それじゃあ、PCT出願って誰でもできるのかしら?
そうだね、PCT出願を行うためには特定の申請資格と要件が必要だよ。
引き続き、PCT出願の申請資格と要件について解説していくよ!
PCT出願の申請資格と要件は?
PCT出願って、どんな資格と要件が必要なの?
まず、申請者はPCT加盟国の国籍または居住を持っている必要があるよ。
PCT加盟国には、アメリカ、カナダ、ロシア、フランス、ドイツ、イタリア、イギリス、スペイン、日本などがあるけど、台湾は含まれていないんだ。
国籍や居住が関係するんだね。それ以外に何か要件があるの?
出願の際に必要な書類を提供することが必要だし、国際特許庁に対して所定の手数料を支払うことも求められる。
また、日本で出願したものを基礎にPCT出願した位場合は、日本国出願日から12か月以内にPCT出願を行う必要があるんだ。
要件を満たすことで、PCT出願が可能になるよ。
なるほど、国籍や居住だけでなく、書類や手数料、出願日も注意が必要なんだね。
そうだよ。申請資格と要件をしっかり理解して、正確に手続きを進めることが大切だよ。
では、PCT出願って、手続きってどんな感じなのかしら?
PCT出願の手続きは少し複雑かもしれないけど、大丈夫、一緒にステップバイステップで説明していくよ。
まず、出願から国際段階までの基本的な流れを理解しよう。
PCT出願の手続きステップ: 申請から国際段階まで
PCT出願の手続きって、詳しく教えてほしいな。
もちろん、分かりやすく説明するよ!
まずは出願書類を準備して提出するステップから始めよう。
出願に必要な書類を用意し、提出方法はオンライン、窓口、郵送、FAXなどがあるよ!
この中でもオンラインがおすすめだよ!
それはなぜ?
オンライン出願をおすすめする理由は、手数料が¥32,700も減額されるからだよ。
オンライン出願の場合、特許庁提供の出願ソフトをダウンロードして使用するんだ。
書面の場合は、WIPO又はJPOのHPから必要な様式をダウンロードできるよ!
それで、準備すべき書類って何?
書類の準備は大切だね!
必要な書類には、出願人適格の有無、国際出願の作成言語、国際出願をする意思の表示の有無、出願人の氏名(又は名称)の記載の有無、明細書であると外見上認められる部分の有無、請求の範囲であると外見上認められる部分の有無が含まれるよ!
これらの要件を確認して書類を整えよう!
要件が満たされていれば、国際出願受理日が国際出願日として認定されるけど、要件が満たされていない場合、受理官庁からの補完指令が出され、補完された場合は補完受理日が国際出願日として認定されるよ。
補正されない場合は取り下げとなるから注意して!
次は?
次は、国際調査結果を受け取るステップだよ。
国際調査機関が、ISR(国際調査報告)とWOSA(国際調査機関の見解書)を、調査用写しの受領から3ヵ月または優先日か9ヵ月のどちらか遅い日までに作成し、出願人に送付するんだ。
これによって、特許の有効性や問題点が分かるよ!
次のステップは?
次は、必要に応じて国際予備審査を請求するよ。
国際予備審査は出願者の任意で行うもので、請求するといくつかのメリットがあるんだ。
たとえば、国際調査機関の見解書を受けて明細書を補正できたり、補正後の国際出願の特許性を再評価してもらたりできるよ!
ただし、予備審査請求時には「予備審査手数料」と「取扱手数料」を国際予備審査機関に納付する必要があるんだ。
次のステップは?
最後に、国内移行する国を決めて手続きを行うよ。
どの国で特許を取得するか決めたら、その国の手続きに入るよ。
国内移行の手続き期限は通常、優先日から30ヵ月以内となっているよ!
では続いて国内段階と各国への申請について解説していくよ!
PCT出願後の次のステップ: 国内段階と各国への申請
このステップでは、翻訳文の提出、国内手数料14,000円の納付、国内書面の提出、審査請求が必要になるんだ。
国内書面には、出願人の氏名又は名称、および住所又は居所、発明者の氏名、および住所又は居所、国際出願番号などが必要だよ。
審査請求期限は国際出願日から3年だから注意して!
これらは、国際段階を経て国内で特許を取るための重要なステップとなるんだ。
なるほど、それぞれのステップが整然と進むんだね。
でも、一つ一つがややこしそう…
大丈夫、手続きは多くても一つずつ進めていけば問題がないよ!
必要なときには弁理士の助言を受ければより確実だよ!
PCT出願にかかる費用と手数料は?
PCT出願の費用って、どれくらいかかるのか気になるなあ
PCT出願にはいくつかの費用がかかるよ。
まず、申請時に必要なものは、国際出願手数料、調査手数料、送付手数料があるよ。
国際出願手数料は書類の枚数によって変わり、30枚までの場合で¥151,000かかるんだ。
調査手数料は¥143,000、送付手数料は¥17,000かかるよ。
国際予備審査を請求する場合や弁理士に依頼する場合、さらに費用がかかるんだ。
それに、国際調査報告も必要なのね。
そうだよ。
国際調査報告を受けるために調査手数料が必要だよ。
これも費用の一部だよ。
そして、PCT出願書類は指定国特許庁に送付される際に送付手数料がかかるんだ。
通常、これらの手数料の合計は¥311,000ほどになるよ。
さらに、弁理士に依頼する場合、出願時の弁理士手数料がかかるんだ!
相場は約¥150,000から¥300,000ほどだよ。
それに各国移行したときも費用がかかるんだね。
その通り。
各国移行時には、翻訳費用、現地代理人費用、現地特許庁費用などが発生するよ。
各国の特許手続きにはそれぞれ手数料や費用がかかるので、移行先国によって費用が異なるよ。
なるほど、費用や手数料がいろいろあるんだね。
でも、これらをしっかり計画して進めないと大変そうだなあ
そうですね。PCT出願は国際的なプロセスなので、計画的に進めることが大切だよ!
弁理士のアドバイスを受けたり、予算を立てたりするのに役立つよ!
料金を表でまとめると以下のとおりです。
項目 | 費用 |
---|---|
国際出願手数料(30枚までの場合) | ¥151,000 |
調査手数料 | ¥143,000 |
送付手数料 | ¥17,000 |
国際予備審査請求(必須ではない) | 追加費用 |
弁理士手数料(相場) | ¥150,000~¥300,000 |
各国移行時の費用(翻訳費用、現地代理人費用、現地特許庁費用など) | 国により異なる |
より詳しくは別の記事でも解説していますのでご参考ください。
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PCT出願費用はいくら?必要な費用と支払い方法を弁理士が解説
続きを見る
PCT出願の注意点とポイント
PCT出願の注意点やポイントってどんなものがあるの?
PCT出願は複雑なプロセスで、注意が必要なポイントがいくつかあるよ。
まず、国際出願手続きは厳格な期限が設定されています。
これらの期限を守ることが非常に重要です。
期限を逃すと、特許の保護を失う可能性があるため、スケジュールの管理が大切だよ!
期限はどのようなものがあるの?
例えば、国際出願の提出期限や、国際調査報告(ISR)を受けた後の特許申請書類の補正ができる期限などがあるよ。
これらの期限を把握し、計画的に行動することが必要だよ!
弁理士に相談することもポイントなんですね。
PCT出願は法的なプロセスであり、専門的な知識が必要になるんだ。
弁理士は特許出願の専門家であり、手続きの正確さや適切な戦略を提供してくれるよ!
特に特許申請書類の準備や、出願後の補正の対応などは、弁理士のアドバイスを受けることが効果的だよ!
なるほど、期限の管理、そして弁理士の協力が大切なんですね。
しっかりと準備して、スムーズに出願できるようにしたいです!