
台湾に登録した商標の更新はどうやるの?
更新期限はいつ?費用はいくら?
期限を過ぎたら倍額になるって本当?
こうした疑問に、弁理士がまとめて解説します。
台湾で取得した商標権は、10年ごとに更新手続きが必要です。
更新を忘れると商標権が消滅し、第三者に先取りされるリスクがあります。
この記事では、台湾商標の更新手続きの流れ/期限/費用/日本・中国・韓国との違いをわかりやすく解説します。
結論(先に要点)
- 更新期限は登録公告日から10年:満了日の6ヶ月前から申請できます。
- 期限後6ヶ月以内は倍額で救済可:NTD 4,000→NTD 8,000になります。
- 倍額期間を過ぎると商標権消滅:復活は原則できません。
- 使用実績の証明は不要:ただし3年以上不使用の場合は不使用取消のリスクがあります。
- 分割納付制度はない:10年分を一括で納付します。
更新期限が近い方・期限を過ぎてしまった方は、早めにご相談ください。

- 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
- 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
- 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
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- 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。
この記事の構成
- 1. 台湾商標の更新制度とは
- 2. 更新手続きの流れ
- 3. 更新に必要な書類
- 4. 更新費用(TIPO公式料金表)
- 5. 期限を過ぎた場合の対応
- 6. 日本・中国・韓国との比較
- 7. よくある注意点
- 8. よくある質問(FAQ)
1. 台湾商標の更新制度とは
台湾で登録された商標の存続期間は、登録公告日から10年間です(台湾商標法第33条・第34条)。
継続して商標権を維持するには、10年ごとに更新登録申請を行う必要があります。
更新回数に制限はなく、手続きを繰り返すことで半永久的に商標権を維持できます。
日本・中国・韓国・アメリカと異なり、更新に使用実績の証明は不要です。
ただし、正当な理由なく3年以上継続して商標を使用していない場合は、第三者から不使用取消審判を請求されるリスクがあります。
2. 更新手続きの流れ
台湾商標の更新手続きは、以下のステップで進みます。
- 更新期限の確認:登録証から登録公告日を確認し、満了日・申請可能期間を把握する
- 代理人への依頼:日本の弁理士事務所または台湾現地代理人に更新を依頼する
- 更新登録申請書の提出:TIPOに更新登録申請書を提出する
- 更新登録料の納付:庁料金(NTD)を納付する
- 更新承認の受領:TIPOから更新承認通知が届き、商標権が次の10年間延長される
台湾域内に住所または営業所のない外国企業・個人は、台湾域内の代理人を通じて手続きする必要があります(台湾商標法第6条第1項)。
日本の弁理士事務所に依頼すれば、台湾代理人との連絡も含めてまとめてサポートしてもらえます。
更新期間と更新後の存続期間
更新が承認された場合、延長期間は商標権の期限満了の翌日から計算されます。
つまり、期限後に申請した場合でも、延長期間は期限満了日の翌日から10年間です。
1回の申請で更新できる期間は最大10年です。
3. 更新に必要な書類
- 商標権存続期間更新登録申請書(TIPOの標準書式)
- 委任状(代理人に手続きを委任する書面)
台湾の更新手続きでは、アメリカのような使用証拠(スペシメン)の提出は不要です。
書類は比較的シンプルですが、指定商品・役務の内容や名義人情報に変更がある場合は、更新前に別途手続きが必要です。
4. 更新費用(TIPO公式料金表)
更新にかかる費用は、①TIPOへの公的手数料(官庁費用)と②代理人費用に分かれます。
TIPO(台湾智慧財産局)商標更新料金表
| 手続きの種類 | 費用(NTD) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 更新登録料(1区分・期限内) | NTD 4,000 | 約18,000円 | 満了日の6ヶ月前〜満了日までに申請 |
| 更新登録料(1区分・期限後・倍額) | NTD 8,000 | 約36,000円 | 満了後6ヶ月以内に限り申請可能 |
| 更新申請を取り下げた場合の返金 | 全額返金 | — | 更新承認通知前に取り下げた場合は全額返金可 |
※円換算は1NTD=約4.5円として計算(為替レートにより変動します)。最新レートをご確認ください。
出典:TIPO公式 Schedule of Trademark Fees
代理人費用の目安(日本の弁理士事務所経由の場合)
| 費用の種類 | 目安金額(円) | 内容 |
|---|---|---|
| 更新代理費用 | 20,000〜50,000円程度(1区分) | 書類作成・提出・庁費用込み |
| 合計目安(1区分・期限内) | 約38,000〜68,000円程度 | 事務所・区分数により変動 |
※代理費用に統一した基準はなく、各代理人が自由に設定できます。上記はあくまで目安です。
5. 期限を過ぎた場合の対応
更新期限(満了日)を過ぎてしまっても、満了後6ヶ月以内であれば倍額の更新料(NTD 8,000/区分)を支払うことで更新できます。
この猶予期間は自動的に適用されるため、別途の申請は不要です。
ただし、倍額期間の6ヶ月を過ぎると商標権は消滅します。
消滅した商標権を復活させることは原則できません。
再取得には改めて出願手続きが必要になり、第三者に先取りされるリスクもあります。
期限と対応のまとめ
| タイミング | 対応 | 更新料(1区分) |
|---|---|---|
| 満了日の6ヶ月前〜満了日 | 通常の更新申請(推奨) | NTD 4,000(約18,000円) |
| 満了日後〜6ヶ月以内 | 倍額での更新申請 | NTD 8,000(約36,000円) |
| 満了日後6ヶ月超 | 商標権消滅(復活不可) | — |
6. 日本・中国・韓国との比較
| 項目 | 台湾 | 日本 | 中国 | 韓国 |
|---|---|---|---|---|
| 存続期間 | 10年 | 10年 | 10年 | 10年 |
| 更新申請できる期間 | 満了6ヶ月前〜満了日 | 満了6ヶ月前〜満了日 | 満了12ヶ月前〜満了日 | 満了1年前〜満了日 |
| 猶予期間 | 満了後6ヶ月(倍額) | 満了後6ヶ月(割増) | 満了後6ヶ月(割増) | 満了後6ヶ月(割増) |
| 猶予期間の追加料金 | 通常料金の倍額 | 固定の割増額 | CNY 250〜追加 | KRW 追加あり |
| 更新料(1区分・10年) | NTD 4,000 (約18,000円) |
約43,800円 | CNY 500 (約10,000円) |
KRW 300,000 (約30,000円) |
| 使用実績の証明 | 不要 | 不要 | 不要 | 不要 |
| 分割納付 | なし(一括のみ) | 5年分割可 | なし(一括のみ) | 5年分割可 |
台湾の更新料はアジア主要国の中では中国に次いで安価です。
ただし台湾独特のポイントとして、猶予期間の追加料金が「倍額」という計算方式になっています(固定の追加額ではない点に注意)。
特許事務所BrandAgentでは、これまで2,000件以上の商標出願をサポートしています。台湾商標の更新管理もお気軽にご相談ください。
7. よくある注意点
- 更新申請は6ヶ月前からしかできない:中国(12ヶ月前)・韓国(1年前)より短いため、期限管理を早めに始めることが重要
- 猶予期間は倍額になる:通常NTD 4,000のところが期限後はNTD 8,000になるため、期限内の申請が経済的
- 分割納付制度はない:10年分を一括納付する必要があるため、まとまった資金が必要
- 3年不使用で取消リスクがある:更新しても正当な理由なく3年以上使用していない場合、第三者から不使用取消審判を請求されるリスクがある。なお、取消審判請求前3ヶ月の「駆け込み使用」は使用として認められない
- 名義人情報を最新の状態にしておく:社名変更・住所変更・権利譲渡があった場合は更新前に変更登記を済ませておく
- 更新承認前の取り下げは全額返金可:更新申請後でも承認通知前であれば全額返金を受けられる
8. よくある質問(FAQ)
- Q. 台湾商標の更新はいつから手続きできますか?
- 満了日の6ヶ月前から申請できます。日本と同じ期間です。中国(12ヶ月前)・韓国(1年前)より短いため、早めに代理人に連絡して準備を進めることをおすすめします。
- Q. 更新時に商標の内容(名称・ロゴ)を変えられますか?
- 原則としてできません。更新はあくまで現状の商標権を継続する手続きです。商標を変更したい場合は別途変更手続きを行うか、新たに出願する必要があります。
- Q. 使っていない商標でも更新できますか?
- はい、更新に使用実績の証明は不要です。ただし、正当な理由なく3年以上継続して使用していない商標は、第三者から不使用取消審判を申請されるリスクがあります。更新後も積極的に使用することが大切です。
- Q. 更新期限を過ぎてしまいました。どうすればいいですか?
- 満了後6ヶ月以内であれば倍額(NTD 8,000/区分)で更新できます。まずすぐに弁理士に相談してください。6ヶ月を過ぎると商標権が消滅し、復活はできません。
- Q. 台湾商標の更新を日本から手続きできますか?
- はい、日本の弁理士事務所を通じて手続きできます。台湾代理人との連絡や書類作成もまとめて対応してもらえるため、日本からでも安心して更新手続きを進められます。
- Q. 更新料を誤って多く支払った場合は返金されますか?
- 更新承認通知が出る前に申請を取り下げた場合は全額返金されます。ただし承認後の返金はできません。申請前に金額をよく確認してください。
「更新期限はいつ?」「費用の見積もりが知りたい」「期限を過ぎてしまった」など、どんな状況でもまずはご相談ください。
状況を確認のうえ、最適な対応をご提案します。
まとめ
台湾商標の更新は、満了日の6ヶ月前から申請可能・満了後6ヶ月以内は倍額(NTD 8,000)で更新可能です。
通常の更新料は1区分あたりNTD 4,000(約18,000円)で、代理人費用を合わせると1区分あたり38,000〜68,000円程度が目安です。
分割納付制度はなく10年一括納付のみである点、猶予期間の料金が「倍額」という計算になる点が台湾の独自ルールです。
期限を過ぎると商標権が消滅するため、早めの管理・対応をおすすめします。