
台湾で商標登録したい。費用はいくらかかる?
出願料・登録料・更新料それぞれ教えてほしい。
台湾商標の特徴や注意点も知りたい。
こうした疑問に、弁理士がまとめて解説します。
台湾は日本にとって重要な貿易・ビジネスパートナーです。
台湾市場でブランドを守るためには、TIPO(台湾智慧財産局)への商標登録が必要です。
この記事では、TIPO公式料金をもとに、台湾商標登録の出願費用・登録費用・更新費用・制度の特徴をわかりやすく解説します。
結論(先に要点)
- 公的手数料は比較的安い:出願料NTD 3,000・登録料NTD 2,500(1区分・20品目以内)が基本です。
- マドプロ非加盟:台湾はマドリッド協定に加盟していないため、直接出願が必要です。
- 更新料は期限内NTD 4,000・期限後はNTD 8,000:更新期限の管理が重要です。
- 2024年5月から加速審査制度が導入:NTD 6,000の追加料金で優先審査を受けられます。
- 日本出願を基礎とした優先権主張が可能:日本出願日から6ヶ月以内であれば優先権を主張できます。
台湾での商標調査や出願方針が不安な場合は、まずはご相談ください。

- 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
- 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
- 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
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- 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。
この記事の構成
- 1. 台湾商標登録とは
- 2. 台湾商標登録の費用(TIPO公式料金表)
- 3. 出願費用
- 4. 登録費用
- 5. 更新費用
- 6. その他の手続き費用
- 7. 代理人費用の目安
- 8. 台湾商標の特徴・注意点
- 9. よくある質問(FAQ)
1. 台湾商標登録とは
台湾の商標登録は、TIPO(台湾智慧財産局・Taiwan Intellectual Property Office)に出願して取得します。
商標権の存続期間は登録公告日から10年間で、更新すれば継続して権利を維持できます。
台湾はWTO(世界貿易機関)に加盟しているため、日本での商標出願を基礎とした優先権主張(6ヶ月以内)が可能です。
ただし、マドリッド協定(マドプロ)には加盟していないため、国際出願は利用できず、台湾に直接出願する必要があります。
日本との主な違い
| 項目 | 台湾(TIPO) | 日本(JPO) |
|---|---|---|
| 管轄機関 | TIPO(台湾智慧財産局) | JPO(特許庁) |
| 存続期間 | 登録公告日から10年(更新可) | 10年(更新可) |
| マドプロ利用 | 不可(直接出願のみ) | 可能 |
| 審査期間の目安 | 約8〜12ヶ月 | 約8〜12ヶ月 |
| 加速審査制度 | あり(NTD 6,000追加・2024年5月〜) | あり(無料) |
| 指定商品の加算 | 20品目超で1品目NTD 200追加 | 加算なし |
| 外国人の直接出願 | 原則不可(台湾域内代理人が必要) | 原則不可 |
| 出願言語 | 中国語(繁体字) | 日本語 |
2. 台湾商標登録の費用(TIPO公式料金表)
台湾の商標費用は、①TIPOへの公的手数料(官庁費用)と②代理人費用に分かれます。
公的手数料は比較的安価で、中国・韓国と比べてもリーズナブルです。
以下の料金は2024年5月1日施行の最新料金です(出典:TIPO公式料金表)。
3. 出願費用
出願料は、指定する区分と商品・役務の数によって決まります。
1区分あたり指定商品・役務が20品目以内であればNTD 3,000が基本料金です。
TIPO(台湾智慧財産局)商標出願料金表(2024年5月1日施行)
| 手続きの種類 | 費用(NTD) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 商標出願料(1区分・第1〜34類・20品目以内) | NTD 3,000 | 約13,500円 | 基本料金 |
| 商標出願料(第35類・小売サービス) | NTD 3,000 | 約13,500円 | 5役務以内。超過は1役務NTD 600追加 |
| 指定商品が20品目を超える場合の加算(1品目あたり) | NTD 200 追加 | 約900円 | 21品目目以降、1品目ごとに加算 |
| 加速審査(早期審査)の追加料金(1区分) | NTD 6,000 追加 | 約27,000円 | 2024年5月1日から導入。要件あり |
| 優先権証明書(日本出願基礎)の提出 | 別途不要 | — | 出願日から6ヶ月以内に書類を提出 |
※円換算は1NTD=約4.5円として計算(為替レートにより変動します)。最新レートをご確認ください。
出典:TIPO公式 Schedule of Trademark Fees(2024年5月1日施行)
加速審査制度について
2024年5月1日施行の改正商標法で、有料の加速審査制度(早期審査)が新たに導入されました。
通常の審査期間(約8〜12ヶ月)を短縮したい場合に利用できます。
申請には以下のいずれかの条件が必要です。
- 出願商標を既に使用している、または使用の準備を相当程度進めている
- 第三者が無断で出願商標を使用している、または使用の準備を進めている
- 第三者から商標使用について警告を受けている
4. 登録費用
審査を通過して登録査定が出たら、査定書送達の翌日から2ヶ月以内に登録料を納付することで商標登録が完了します。
登録料は10年分を一括で納付します(分割納付制度は廃止済み)。
TIPO 商標登録料金表
| 手続きの種類 | 費用(NTD) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 設定登録料(1区分・10年一括) | NTD 2,500 | 約11,250円 | 査定後2ヶ月以内に納付 |
| 登録料の期限後救済(倍額納付) | NTD 5,000 | 約22,500円 | 故意でない場合、期限後6ヶ月以内に倍額で救済可 |
※円換算は1NTD=約4.5円として計算(為替レートにより変動します)。
出典:TIPO公式 Schedule of Trademark Fees
出願〜登録までの公的手数料合計(1区分・20品目以内)
| 段階 | 費用(NTD) | 目安(円) |
|---|---|---|
| 出願時 | NTD 3,000 | 約13,500円 |
| 登録時(10年一括) | NTD 2,500 | 約11,250円 |
| 合計(公的手数料のみ) | NTD 5,500 | 約24,750円 |
5. 更新費用
商標権の存続期間は10年で、更新することで継続できます。
更新申請は満了日の6ヶ月前から、満了後6ヶ月以内まで行えます。
ただし満了後6ヶ月以内に申請する場合は、更新料が倍額(NTD 8,000)になります。
TIPO 商標更新料金表
| 手続きの種類 | 費用(NTD) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 更新登録料(1区分・期限内) | NTD 4,000 | 約18,000円 | 満了日の6ヶ月前〜満了日までに申請 |
| 更新登録料(1区分・期限後・倍額) | NTD 8,000 | 約36,000円 | 満了後6ヶ月以内に限り申請可能 |
| 更新期間満了後6ヶ月超 | — | — | 商標権消滅・復活不可 |
※円換算は1NTD=約4.5円として計算(為替レートにより変動します)。
出典:TIPO公式 Schedule of Trademark Fees
6. その他の手続き費用
TIPO 各種手続き料金表
| 手続きの種類 | 費用(NTD) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 異議申立(1件) | NTD 3,000 | 約13,500円 | 登録公告後3ヶ月以内に申立て可能 |
| 無効審判請求(1件) | NTD 5,000 | 約22,500円 | 利害関係人のみ申請可能 |
| 不使用取消審判請求(1件) | NTD 3,000 | 約13,500円 | 3年以上不使用の場合に申請可能 |
| 商標権の移転登記(1件) | NTD 2,000 | 約9,000円 | 1件あたり |
| 訴願(拒絶査定不服)(1件) | NTD 4,000 | 約18,000円 | 経済部訴願審議委員会へ提起 |
※円換算は1NTD=約4.5円として計算(為替レートにより変動します)。
出典:TIPO公式 Schedule of Trademark Fees
7. 代理人費用の目安
台湾域内に住所または営業所のない外国企業・個人は、台湾域内の代理人を通じて出願する必要があります(商標法第6条第1項)。
| 費用の種類 | 目安金額(円) | 内容 |
|---|---|---|
| 事前調査費用 | 20,000〜50,000円程度 | 類似商標の有無を調査・報告 |
| 出願代理費用(1区分) | 40,000〜80,000円程度 | 書類作成・提出・庁費用込み |
| 登録時費用(1区分) | 15,000〜30,000円程度 | 登録料納付・手続き代行 |
| 合計目安(調査〜登録まで・1区分) | 約8万円〜16万円程度 | 事務所・区分数・商品数により変動 |
※代理費用に統一した基準はなく、各代理人が自由に設定できます。上記はあくまで目安です。
特許事務所BrandAgentでは、これまで2,000件以上の商標出願をサポートしています。台湾商標の出願方針や費用見積もりもお気軽にご相談ください。
8. 台湾商標の特徴・注意点
① マドプロが使えない
台湾はマドリッド協定(マドプロ)に加盟していません。
複数国に同時出願する場合でも、台湾向けには必ず直接出願が必要です。
日本出願から6ヶ月以内であれば優先権主張ができるため、早めに台湾出願を検討することをおすすめします。
② 出願言語は中国語(繁体字)
出願書類は中国語(繁体字)で作成する必要があります。
外国語の文字を含む商標の場合、その意味・語種の説明を願書の商標図案分析欄に記載しなければなりません。
日本語・英語などの外国語商標も登録できますが、代理人を通じた適切な記載が必要です。
③ 指定商品が20品目を超えると費用が増加
1区分内の指定商品・役務が20品目を超えると、超過した1品目ごとにNTD 200が加算されます(第35類の小売サービスは5役務以内が基準)。
指定商品・役務を必要最小限に絞ることで費用を抑えられます。
④ 2024年5月から加速審査制度が導入
2024年5月1日から改正商標法が施行され、有料の加速審査制度が新設されました。
NTD 6,000(約27,000円)の追加料金で優先的に審査してもらえます。
商標を早急に権利化したいケース(模倣品対策・競合他社への対応など)に有効です。
⑤ 登録料は10年一括納付(分割制度は廃止)
以前は登録料を2回に分けて分割納付できましたが、現行法では廃止されています。
登録査定後2ヶ月以内にNTD 2,500を一括で納付する必要があります。
故意によらず期限内に納付できなかった場合は、6ヶ月以内に倍額(NTD 5,000)を納付することで救済されます。
⑥ 異議申立期間は登録公告後3ヶ月
台湾では登録公告後3ヶ月間、第三者が異議申立をできる期間が設けられています。
この期間を経過しても、無効審判(利害関係人のみ)や不使用取消審判(3年以上不使用の場合)を申請できます。
9. よくある質問(FAQ)
- Q. 台湾に商標登録するとマドプロは使えますか?
- いいえ、台湾はマドリッド協定(マドプロ)に加盟していないため、国際出願は利用できません。台湾への出願は直接出願が必要です。日本出願から6ヶ月以内であれば優先権主張が可能です。
- Q. 台湾商標の審査期間はどれくらいですか?
- 通常の審査は出願から約8〜12ヶ月が目安です。2024年5月から導入された加速審査制度(NTD 6,000/区分追加)を利用することで審査期間を短縮できます。
- Q. 日本語の商標名で台湾に登録できますか?
- はい、日本語(ひらがな・カタカナ・漢字)の商標も台湾で登録できます。ただし外国語の文字を含む場合は、その意味・語種の説明を願書に記載する必要があります。
- Q. 更新期限を過ぎたらどうなりますか?
- 満了後6ヶ月以内であれば、倍額(NTD 8,000/区分)を支払うことで更新できます。6ヶ月を過ぎると商標権が消滅し、復活はできません。
- Q. 台湾商標の費用は他のアジア各国と比べてどうですか?
- 台湾の公的手数料は、アジアの中でも比較的安価な水準です。1区分の出願〜登録合計でNTD 5,500(約24,750円)と、中国・韓国・アメリカと比べて安価です。
「どの区分で出願すればいい?」「費用の見積もりが知りたい」「優先権主張の期限が近い」など、状況に合わせてアドバイスします。
まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
台湾商標登録の公的手数料は、1区分・20品目以内で出願料NTD 3,000(約13,500円)+登録料NTD 2,500(約11,250円)、合計NTD 5,500(約24,750円)と比較的安価です。
更新料は期限内NTD 4,000・期限後はNTD 8,000(倍額)です。
代理人費用を合わせると1区分あたり8万〜16万円程度が目安となります。
台湾はマドプロ非加盟のため直接出願が必要である点、2024年5月から加速審査制度が導入された点も重要なポイントです。早めに弁理士にご相談ください。