
韓国で商標登録したい。手続きの流れを知りたい。
費用はいくらかかる?
日本語のまま登録できるの?失敗しないための注意点も教えてほしい。
こうした疑問に、弁理士がまとめて解説します。
韓国市場でビジネスを行う場合、商標は「先に出願した者が強い(先願主義)」のルールが適用されます。
後回しにすると第三者に先取りされるリスクがあります。
この記事では、韓国商標登録の手続きの流れ/必要書類/費用の目安/検索方法/注意点をわかりやすく解説します。
結論(先に要点)
- 韓国も先願主義:早めの出願がブランドを守る最善策です。
- 日本語のまま登録できる:ハングル・英語だけでなく日本語商標も登録可能です。
- 審査期間は比較的短い:出願から登録まで約8〜14ヶ月が目安です。
- 費用は中国より高め:1区分あたりの公的手数料は出願〜登録で約KRW 253,000(約2万8千円)です。
韓国での商標調査や出願方針が不安な場合は、まずはご相談ください。

- 関西の特許事務所と大手法律事務所と大手企業知財部で合計10年ほどの知財実務を積んできました。
- 特許サポート件数1,000件以上、商標申請代行件数2,000件以上の弁理士です。
- 京都で特許事務所BrandAgentを開業しています。
- ブログ歴3年以上でブログを書くことが趣味です。
- 月間PV数最高11万超のブログを運営したこともあります。
- 初心者の方でもわかりやすいように記事を書くことが得意です。
この記事の構成
- 1. 韓国の商標登録制度とは(日本との違い)
- 2. 手続きの流れ(出願〜登録)
- 3. 出願に必要な書類
- 4. 費用の目安(KIPO公式料金表)
- 5. 商標検索の方法(KIPRIS)
- 6. 失敗しないための注意点
- 7. よくある質問(FAQ)
1. 韓国の商標登録制度とは?(日本との違い)
韓国の商標制度は、日本と同様に先願主義(先に出願した者が優先)を採用しています。
韓国知的財産庁(KIPO:Korean Intellectual Property Office)に出願し、審査を経て登録されます。
存続期間は登録日から10年で、更新すれば継続して権利を維持できます。
日本との主な違い
| 項目 | 韓国 | 日本 |
|---|---|---|
| 管轄機関 | KIPO(韓国知的財産庁) | JPO(特許庁) |
| 存続期間 | 10年(更新可) | 10年(更新可) |
| 審査期間の目安 | 約8〜14ヶ月 | 約8〜12ヶ月 |
| 日本語商標の登録 | 可能 | 可能 |
| 指定商品の加算ルール | 10個超で1個あたりKRW 2,000追加 | 加算なし |
| 外国人の直接出願 | 原則不可(代理人必要) | 可能 |
| 異議申立期間 | 登録公告後2ヶ月 | 登録公告後2ヶ月 |
2. 手続きの流れ(出願〜登録)
韓国商標登録の一般的な流れは以下のとおりです。
- 商標調査:KIPRISで先行商標の有無を確認する
- 区分・指定商品の設計:事業内容に合った区分・指定商品を決める
- 出願書類の作成・提出:現地代理人を通じてKIPOに提出する
- 方式審査:書類の形式的な不備がないかを審査(約1〜2週間)
- 実体審査:類似商標の有無・登録要件の審査(約8〜12ヶ月)
- 登録公告:異議申立期間(2ヶ月間)
- 登録査定・登録料納付:登録料を納付して登録完了
- 登録証の受領:商標登録証が発行される
出願から登録まで、異議申立がない場合で約8〜14ヶ月が目安です。
早期審査制度(優先審査)もあり、要件を満たす場合は審査期間を短縮できます。
3. 出願に必要な書類
外国企業が韓国に商標出願をする場合、原則として韓国の認可を受けた代理人(現地代理人)を通じて手続きする必要があります。
日本の弁理士事務所に依頼すれば、現地代理人との連携も含めてサポートしてもらえます。
- 出願書(出願人の氏名・名称・住所、商標見本、指定商品・役務および区分を含む)
- 委任状(代理人に手続きを委任する書面)
- 優先権証明書(日本出願から6ヶ月以内に優先権を主張する場合)
出願書類は韓国語で作成されますが、日本語・英語で商標名や指定商品を伝えれば、現地代理人が翻訳・作成を対応してくれます。
4. 費用の目安(KIPO公式料金表)
韓国商標の費用は、①KIPOへの公的手数料(庁費用)と②代理人費用に分かれます。
以下の料金は2023年8月1日施行の改定後の最新料金です。
KIPO公的手数料(庁費用)
KIPO(韓国知的財産庁)公式商標料金表
| 手続きの種類 | 費用(KRW) | 目安金額・円換算※ | 備考 |
|---|---|---|---|
| 出願料(1区分・電子出願) | KRW 52,000 | 約5,200円 | 紙出願はKRW 62,000(約6,200円) |
| 指定商品が10個を超える場合の加算(1個あたり) | KRW 2,000 | 約200円 | 出願・登録いずれも同様に適用 |
| 設定登録料(1区分・10年一括) | KRW 201,000 | 約20,100円 | 5年ごと分割納付も可能 |
| 設定登録料(1区分・5年分割・前期) | KRW 112,000 | 約11,200円 | 後期はKRW 113,000(約11,300円) |
| 更新登録料(1区分・10年一括) | KRW 300,000 | 約30,000円 | 5年ごと分割納付も可能 |
| 優先権主張の追加料(1区分あたり) | KRW 18,000 | 約1,800円 | 日本出願から6ヶ月以内に主張可能 |
| 異議申立(1件) | KRW 120,000 | 約12,000円 | 登録公告後2ヶ月以内 |
| 拒絶決定不服審判(1件) | KRW 130,000 | 約13,000円 | 拒絶査定を受けた場合 |
| 無効審判(1件) | KRW 130,000 | 約13,000円 | 登録後の無効申請 |
※円換算は1KRW=約0.1円として計算(為替レートにより変動します)。最新レートをご確認ください。
※2023年8月1日施行の改定後の料金です。
出典:KIPO公式 Fee Schedule
出願〜登録までの公的手数料合計目安(1区分)
| 段階 | 費用(KRW) | 目安(円) |
|---|---|---|
| 出願時 | KRW 52,000 | 約5,200円 |
| 登録時(10年一括) | KRW 201,000 | 約20,100円 |
| 合計(公的手数料のみ) | KRW 253,000 | 約25,300円 |
代理人費用の目安(日本の弁理士事務所経由の場合)
| 費用の種類 | 目安金額(円) | 内容 |
|---|---|---|
| 事前調査費用 | 20,000〜50,000円程度 | 類似商標の有無を調査・報告 |
| 出願代理費用 | 40,000〜80,000円程度(1区分) | 書類作成・提出・庁費用込み |
| 登録時費用 | 20,000〜40,000円程度(1区分) | 登録料納付・手続き代行 |
| 合計目安(調査〜登録まで) | 約8万円〜17万円程度(1区分) | 事務所・区分数・商品数により変動 |
※代理費用に統一した基準はなく、各代理人が自由に設定できます。上記はあくまで目安です。
5. 商標検索の方法(KIPRIS)
韓国への出願前に、同一・類似の商標がすでに登録・出願されていないか確認することが重要です。
韓国ではKIPRIS(Korea Intellectual Property Rights Information Service)という無料データベースで検索できます。
KIPRISの基本情報
- URL:https://www.kipris.or.kr/
- 英語インターフェースあり(英語・ハングルで検索可能)
- 日本のJ-PlatPatに相当するサービスで、誰でも無料で利用できる
KIPRISで確認すべきポイント
- 商標名(Trademark Name):日本語・英語・ハングルで検索する
- 区分(Classification):自分の商品・サービスに対応する区分を指定して検索
- 法的状態(Administrative Status):登録中・出願中の両方を確認する
- 英語→韓国語変換機能:「Eng-Kor」ボタンで英語商標を自動的にハングル変換して検索できる
ただし、類似かどうかの最終的な判断は専門的な知識が必要です。弁理士による専門調査と組み合わせることをおすすめします。
6. 失敗しないための注意点
① 日本語商標もハングル・英語表記を検討する
韓国では日本語(ひらがな・カタカナ・漢字)の商標登録が可能です。
ただし、韓国市場ではハングル表記や英語表記で流通することも多いため、日本語+ハングル+英語の表記を組み合わせた出願戦略を検討することをおすすめします。
② 指定商品が10個を超えると費用が増える
韓国では1区分内の指定商品・役務が10個を超えると、超過分1個あたりKRW 2,000が加算されます。
必要な商品・役務を厳選することで費用を抑えられます。
③ 事前調査を必ず行う
KIPRIS・KIPOデータベースで先行商標を確認し、類似商標がないかを事前に調査します。
調査なしで出願すると、拒絶・費用の無駄・権利侵害リスクがあります。
④ マドプロ出願も選択肢のひとつ
韓国を含む複数国に同時出願する場合、マドリッド協定議定書(マドプロ)による国際出願が費用面で有利になることがあります。
ただし、個別出願の方が柔軟な指定商品設計ができるため、どちらが適切かは状況により異なります。弁理士に相談してから決めることをおすすめします。
特許事務所BrandAgentでは、これまで2,000件以上の商標出願をサポートしています。韓国商標の出願方針や費用見積もりもお気軽にご相談ください。
7. よくある質問(FAQ)
- Q. 日本語のまま韓国に商標登録できますか?
- はい、ひらがな・カタカナ・漢字の日本語商標も韓国で登録できます。ただし、韓国市場での使用実態に合わせてハングル・英語表記も併せて登録することを検討することをおすすめします。
- Q. 韓国商標の審査期間はどれくらいですか?
- 出願から登録まで約8〜14ヶ月が目安です。要件を満たす場合は早期審査(優先審査)制度を利用することで期間を短縮できます。
- Q. 日本の商標登録があれば韓国でも有効ですか?
- いいえ、商標権は国ごとに独立しています。日本で登録していても韓国では権利が発生しません。韓国市場でブランドを守るには、別途韓国への出願が必要です。
- Q. 日本での商標出願後、韓国への優先権主張はできますか?
- はい、日本での出願日から6ヶ月以内であれば、パリ条約に基づく優先権主張をして韓国に出願できます。この場合、日本の出願日が韓国での出願日とみなされます。
- Q. 費用を抑えるコツはありますか?
- 区分数と指定商品数を最適化することが重要です。1区分内の指定商品を10個以内に収めることで加算費用を避けられます。また、複数国に出願する場合はマドプロ出願の利用も検討してください。
「どの区分で出願すればいい?」「日本語商標とハングル商標どちらがいい?」など、状況に合わせてアドバイスします。
費用の見積もりや調査からサポートしますので、まずはお気軽にご相談ください。
まとめ
韓国商標登録は先願主義のため、事業展開が決まったら早めの出願が重要です。
公的手数料は1区分あたり出願〜登録合計でKRW 253,000(約25,300円)と比較的安価ですが、代理人費用を合わせると1区分あたり8万〜17万円程度が目安となります。
日本語商標も登録可能ですが、ハングル・英語表記との組み合わせ戦略が韓国市場では重要です。
「調査→表記戦略→指定商品設計→出願」の順で進めることで失敗を防げます。