商標の区分とは!?区分が違えば登録できるの?検索のやり方までわかりやすく解説

「商標の区分をわかりやすく教えてほしい。

同一の商標でも区分が違えば登録できるの?

あとは区分の検索のやり方も教えてほしい。」

 こうした疑問に答えます。

 

1.商標の区分とは

商標登録出願をする場合、「区分」と「指定商品」「指定役務」を特定する必要があります(商標法第5条第1項第3号)。

「区分」とは、商標に使用する商品(役務)がどの類に属するかを表すものです。

区分は第1類から第35類まで分かれています。

 商標出願の願書には【第1類】というように記載します。

 願書では、区分に加え、その区分に含まれる「商品(役務)」を指定します。

(事例)

ネットショップでコーヒー豆を販売する

➤商品名「コーヒー豆」に該当します。

➤「コーヒー豆」は「植物性食品」に該当する

➤区分は第30類

この場合、願書には、区分を【第30類】で特定し、さらに指定商品として「コーヒー豆」を特定する。

 なお、役務とは、サービスと解釈して問題ありません。

 (事例)

お店でコーヒーを提供する喫茶店を始める

➤サービス名「コーヒーの提供」に該当

➤コーヒーの提供は「飲食業」に相当

➤区分は第43類

この場合、願書には、区分を【第43類】で特定し、さらに指定商品として「飲食業」を特定する。

ちなみに商品に商標を使用する場合、™を商標に使い、サービスに商標を使用する場合、℠を商標に使います。

 以下第1類~第45類までの区分の具体例を紹介しておきます。

工業用、科学用又は農業用の化学品

塗料、着色料及び腐食の防止用の調製品

洗浄剤及び化粧品

工業用油、工業用油脂、燃料及び光剤

薬剤

卑金属及びその製品

加工機械、原動機等の機械

手動工具

科学用等の機械器具

医療用機械器具及び医療用品

照明用等の装置

乗物その他移動用の装置

火器及び火工品

貴金属、宝飾品及び時計等

紙、紙製品及び事務用品

電気絶縁用等のプラスチック

革、旅行用品等

金属製でない建築材料

家具、プラスチック製品等

家庭用又は台所用の手動式の器具等

ロープ製品、帆布製品等

織物用の糸

織物及び家庭用の織物製カバー

被服及び履物

裁縫用品

床敷物及び織物製でない壁掛け

がん具、遊戯用具及び運動用具

動物性の食品、加工した野菜等

加工した植物性の食品、調味料等

加工していない陸産物、生きている動植物及び飼料

アルコールを含有しない飲料及びビール

ビールを除くアルコール飲料

たばこ、喫煙用具及びマッチ

広告等

金融、保険及び不動産の取引

建設、設置工事及び修理

電気通信

輸送、こん包及び保管並びに旅行の手配

物品の加工その他の処理

教育、訓練、娯楽、スポーツ及び文化活動

科学技術又は産業に関する調査研究等

飲食物の提供及び宿泊施設の提供

医療、動物の治療、人又は動物に関する衛生等

冠婚葬祭に係る役務、警備、法律事務等

2.商標をECサイトに利用する場合の区分は?

ECサイトで商品を販売している方もいらっしゃると思います。

ECサイトで商標を使用する場合区分はどれに該当するのか。

これは販売業ですので第35類に該当します。

さらに具体的な役務の特定については「類似商品・役務審査基準」に沿って記載することをおすすめします。

もし迷ったらご相談ください。

 

3.区分が違えば同一の商標でも登録できるのか?

「区分が違えばすでに同一の商標が登録されていたとしても登録できるの?」

 結論から言うと、登録できる場合があるということになります。

 商標は、すでに登録された商標と同一または類似であり、指定商品(役務)と同一または類似であれば登録できません。

 ここで、指定商品(役務)が同一か類似であるかの判断は「区分」ではなく「類似群コード」で判断されます。

 指定商品(役務)にはそれぞれ類似群コードが割り当てられており、すでに登録された商標の指定商品(役務)の類似群コードと重複している場合、商標登録できません。

 ここで必ずしも区分が違うからと言って、類似群コードも違うとは限りません。

 このため、区分が違えば商標登録できるというわけではありません。

 「類似群コード」の概念はややこしく、もし不安であれば弁理士に相談してみることをおすすめします。

4.商標の区分の検索のやり方

 区分の検索のやり方は以下のとおりです。

 特許庁からエクセルデータをダウンロードしてCtrl+Fで検索します。

 商品・サービス国際分類表〔第11-2020版〕アルファベット順一覧表 日本語訳 類似群コード付きを開きます。

 下をめくっていくと「商品(エクセル)」「役務(エクセル)」エクセルデータがありますのでこれをダウンロードします。

「指定商品・役務」

ダウンロードしたエクセルデータを開きます。

あとは「Ctrl+F」の検索機能を使って、あなたの商品名・サービス名を入力すれば区分がわかります。

5.商標の区分が複数あるときに別出願することのメリットは?

 日本の商標制度は、1出願多区分制度をとります。

 つまり、複数の区分をまとめて1つの出願とすることができます。

 これにより、複数の区分をそれぞれ別出願とする場合に比べてコストを安くすることができます。

>>参考「特許庁への手数料(出願手数料)の違い」

 まとめて1つの出願とする場合別出願とする場合
2区分¥20,600¥24,000
3区分¥29,200¥36,000

>>※登録納付料は同じ。

>>※弁理士に依頼する場合、弁理士手数料にも差がでてくることが多い

 このため、ほとんどのケースでまとめて1つの出願としますが、実は別出願とすることのメリットもあります。

 別出願するメリットは以下のとおりです。

①審査が早くなるやすい

②登録しやすくなる

③更新するときに手間がかかりにくい

④譲渡しやすい

⑤早期審査・ファストトラック審査の申請が通りやすい

⑥単純に権利の数が増える

 順番に解説します。

①審査が早くなりやすい

まず審査が早くなりやすくなります。

複数の区分(例えば、第15類と第34類)を1つの出願にまとめた場合、審査官は、まず第15類の審査部門で処理してから第34類の審査部門で処理といった感じで、複数の審査部門で審査の処理をする必要があり、審査が長くなります。

これに対し、1つの区分で別出願をすると、審査官は、1つの出願に対し審査部門の数は1つでよく、審査の時間も早くなります。

②登録しやすくなる

次に登録しやすくなります。

複数の区分(例えば、第15類と第34類)を1つの出願にまとめた場合、審査の結果、どちらか一方の区分(例えば第15類)は登録できても、他方の区分(第34類)に拒絶理由があれば、拒絶理由が通知されます。拒絶理由が解消されない場合、登録できる第15類についても1つの出願としてまとめているため登録することができません。

これに対し、1つの区分で別出願をすると、15類は登録査定が通知され、34類は拒絶理由が通知されるため、少なくとも一方は登録できることになり、登録しやすくなります。

③更新するときに手間がかかりにくい

複数の区分(例えば、第15類と第34類)を1つの出願にまとめて登録できた場合、5年後(分割納付)または10年後(一括納付)に更新する必要があります。

ここで、複数の区分のうち、一方の区分について使用しないケースもでてきます。

この場合、分割納付、一括納付のいずれにおいても使用しない区分を削除する手続きをしなければならず手間がかかります。

これに対し、1つの区分で別出願をすると、使用しない区分については放棄(放置)すればOKのため面倒な手続きは不要となります。

④譲渡しやすい

また、複数の区分を別出願した場合、商標権を譲渡しやすくなります。

これは特に承継人が複数いる場合などに顕著となります。

例えば、承継人が複数いて、一方の区分を承継人Aに、他方の区分を承継人Bに承継する場合、それぞれは別々の商標権ですから譲渡しやすくなります。

⑤単純に権利の数が増える

単純に権利の数が増えますので、商標権の数のアピールなどにつながります。

以上のとおり、別出願することのメリットは大きいといえます。

 逆に別出願するデメリットは費用ですが、¥3,400×(区分数)高くなります。

ただし、登録納付料は変わらないので意外とそれほど高くつきません。

ただし、弁理士手数料も高くなると思うので(交渉すれば下げてもらえるかもしれませんが…)、これらの費用増に見合っているかどうかを検討しながら別出願も検討することをおすすめします。

6.商標の区分のまとめ

以上、商標の区分についてまとめました。

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